ながみね まこと
長峯誠議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
長峯誠(ながみね まこと)議員は、宮崎県都城市出身の参議院議員で、自由民主党所属の現職参議院議員(宮崎県選挙区、当選2回)です¹。1969年生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、父である長峯基元参院議員の秘書を務め、1997年に宮崎県議会議員に初当選して以降3期連続当選しました²。
2004年には当時全国最年少の35歳で都城市長に就任し、以後3期務めるなど地方行政の経験が豊富です²。2013年の第23回参院選で宮崎県選挙区から国政に転じ、民主党候補に3倍以上の大差で初当選し、2019年(令和元年)の第25回参院選でも再選を果たしました³⁴。
在職中には財務大臣政務官(2017年〜2018年)や参議院外交防衛委員長、自民党水産部会長、参議院自民党副幹事長など要職を歴任し⁵、2022年には第2次岸田改造内閣で内閣府兼経済産業大臣政務官に任命されています⁶。
本稿では、2015年から2025年までの10年間における長峯議員の政策・活動を、選挙公約と実績の関係に着目しつつ、多角的に検証します。地方自治の現場を経て国政に挑んだ長峯氏が、どのような公約を掲げ、国会で何を主張し、政策実現にどう取り組んできたのか。その全体像を、有権者が評価できるよう事実に基づきまとめました。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
一貫したテーマとスローガン
長峯誠議員の直近の選挙公報(2019年および2022年参院選)を分析すると、そのスローガンと政策の柱には一貫したテーマが浮かび上がります。「現場の思いを国政に届けます」というキャッチフレーズの下⁷、地方経済の活性化や防災対策など郷土・地域に根差した課題の解決を前面に掲げました。
主要な公約項目
実感の持てる地域経済の活性化
具体的な公約としては、まず「実感の持てる地域経済の活性化」が挙げられています。農林水産業や中小事業者が景気拡大の恩恵を感じられるように、消費税率アップで景気が腰折れしないよう政策総動員で地方経済を下支えするというものです⁸。人手不足対策も含め、地方の産業振興に重点を置く姿勢が読み取れます。
防災減災・危機管理体制の強化
また、「防災減災・危機管理体制の強化」も大きな柱です。宮崎県は南海トラフ巨大地震の甚大な被害想定地域であり、長峯氏自身「防災士」の資格を持つ経験から、Nネット(緊急地震速報システム)の整備など官民挙げての防災・減災対策をライフワークとして推進する決意を示しました⁹。
持続可能な社会保障制度の構築
さらに、「持続可能な社会保障制度の構築」も公約に掲げています。世界に誇る国民皆保険を堅持しつつ、受益と負担のバランスの取れた制度改革を訴え、消費税財源を福祉目的に有意義に活用すること、医療・福祉・子育て分野に過度な市場原理を持ち込まないことなど、地域住民の安心を支える社会保障の充実を約束しました¹⁰。
インフラ整備の推進
インフラ整備についても、「東九州道・九州中央道・都城志布志道路」といった地元の高速道路網の整備促進を掲げ、道路や港湾の連携強化で地域課題の解決を図るとしています¹¹。
教育・人材育成と安全保障
教育・人材育成では「創造性豊かな人材育成」を掲げ、規範意識と積極性を養う教育で内向き志向を打破し、多文化共生社会に対応した人材育成を進める方針を示しました¹²。そして安全保障面では「国民の生命・財産を守り抜き、世界の平和に貢献」するため、憲法改正をはじめ必要な法整備を進めると明記し、領土・領海を断固として守る決意を強調しています¹³。
公約の特徴的なキーワード
公約文中で特に目立つキーワードは、「地域」「防災」「社会保障」「インフラ」「人材育成」「憲法改正」などです。実際、公約テキストの頻出上位語を見ると、「地域」という語が複数回登場して地方重視の姿勢が際立ちます¹⁴。次いで「防災」「減災」も頻出し、防災士でもある本人の専門性と熱意が反映されています⁹。
興味深いのは、「消費税」が公約中に明記されている点です⁸¹⁰。長峯氏は消費税率引き上げを容認する立場であり(2019年の消費増税10%も「法律に従い引き上げるべき」と回答)¹⁵、その代わりに地方経済や社会保障へ還元するという論調で、公約に整合性を持たせています。
政治姿勢の特徴
以上のように、公約から浮かぶ長峯議員の政治姿勢は、「地方創生・防災のエキスパート」として地域の暮らしと安全を守り抜くことに軸があります。実際、2019年参院選で再選を果たした際の地元紙記事でも、長峯氏は「古里発展にまい進」と題してインフラ整備や農業振興には政治の安定が重要と訴え、有権者の支持を得たと報じられました⁴。
再選当夜の会見で「約束した古里の夢を実現するために全力で走り出したい」と述べたように¹⁷、公約に掲げた郷土宮崎の夢(地域経済振興や安心社会の実現)への強いコミットメントが感じられます。
2. 法案提出履歴と立法活動
議員立法への取り組み
国会議員としての長峯誠氏の立法活動を振り返ると、与党議員らしく政府提出法案の審議・採決に与する一方で、自らが発議者となった議員立法にもいくつか取り組んでいます。公開情報によれば、長峯氏が在職中に提出者に名を連ねた議員提出法案(参議院提出法案)は数件程度あり、そのテーマは出身地に関連する農林水産分野や災害対策、地域活性化に関わるものが中心だったとみられます。
例えば、第200回国会(2019年秋の臨時国会)では参議院議員提出の新規法案16件のうち1件のみ成立し、残る15件は継続審議や廃案となりましたが、その提出者一覧に長峯氏の名が含まれており、同僚議員と共同で法案提出に関与していました¹⁸。
提出法案の具体例としては、水産資源の管理や農業者の所得向上に資する法整備、地方創生に絡む規制緩和策などが挙げられます。ただし、長峯氏単独で立案・成立に導いた「目玉法案」があるわけではなく、議員立法の多くは超党派あるいは党内プロジェクトチームで作成されたものに共同提出者として名を連ねた形です。
政務官としての立法への関与
一方で、国会内の役職を通じた立法への影響力行使も注目されます。長峯氏は2017年に財務大臣政務官に就任し²⁰、主に財政金融分野の政策執行に携わりました。政務官在任中は、国会答弁者として法案審議に立つ機会もあり、たとえば2018年には厚生労働委員会でたばこ規制に関する議論の中で財務政務官として答弁し、たばこパッケージの警告表示に関する政府見解を述べています²¹。
また2022年から経産省と内閣府の大臣政務官を務めた際には、衆議院や参議院の委員会で政府提出法案の趣旨説明や質疑応答に立ちました²²。例えば令和5年(2023年)5月の衆議院災害対策特別委員会では、経産大臣政務官として出席し、国土強靱化関連法案の提出手続きに言及する場面もありました²³。
重要法案への賛否表明
長峯氏が賛否表明した重要法案・政策について見ると、基本的には政権与党の一員として政府方針を支持する票行動を取ってきました。消費税率10%への引き上げについては前述の通り賛成の立場を明確にしており¹⁵、2019年の税率引上げは予定通り実施されています。
また、安全保障関連では憲法9条改正や集団的自衛権の行使容認に賛成するなど¹⁵、安倍政権期の安全保障法制にも与党議員として賛成票を投じました。その他の主要法案(例:防衛費増額のための財源確保法案、こども家庭庁設置法案、コロナ対策特別措置法改正等)でも、党議拘束に従い一貫して賛成票を投じており、造反や棄権といった動きは確認されていません。
立法活動の特徴
総じて、長峯誠議員の立法活動は「与党の堅実な実務型議員」という印象です。派手な単独法案提出よりも、党内の部会長職等を通じ政策立案に関与し(例えば水産業の振興策や農業者支援策で部会報告をとりまとめるなど)、政府提出法案にそれを反映させていくアプローチが目立ちます。
また地元宮崎に関係する農業災害補償の拡充や地方道路財源の確保などについては、国会質疑や党内提言を通じて予算措置に結びつける努力を重ねており、法案の形以外でも政策実現に貢献している部分があると言えるでしょう。提出法案数そのものは決して多くなく、可決成立したものも僅少ですが、これは与党参議院議員の職責上ある程度想定される範囲です。
むしろ委員長・理事として法案審議を主導し円滑な成立に寄与したり、政務官・党役員として裏方で法案作りに関わったりした点に、長峯氏の立法活動の特徴があります。
3. 国会発言の分析
発言回数と活動スタイル
国会における長峯誠議員の発言回数や内容から、その活動スタイルを分析します。まず発言回数ですが、初当選直後の2013〜2019年(1期目)で本会議・委員会における発言が約30回と報告されています²⁴。2期目の途中である2025年まで合計すれば、発言機会はおおよそ50〜60回程度と推定され、委員会中心に着実に発言を積み重ねてきたことが窺えます。
参議院議員の中では突出して多弁な方ではありませんが、かといって寡黙というほどでもなく、必要な場面でポイントを押さえた質疑・意見表明を行うタイプと言えるでしょう。
所属委員会と発言内容の関連性
長峯氏の所属委員会や役職と発言内容は密接にリンクしています。彼はこれまで参議院の財政金融委員会、経済産業委員会、予算委員会、地方創生に関する特別委員会などに所属し、2017年には外交防衛委員長も務めました⁵。また党内では農林水産関係の部会長や総合農政調査会副会長を歴任しています²⁵。
こうしたバックグラウンドから、発言テーマも経済・財政、農林水産、地域振興、防災、防衛といった分野に集中しています。
具体的な発言事例
最近の質疑活動
直近の2024〜2025年には参議院予算委員会で質問の機会を得ており、物価高騰下における備蓄米の放出による米価安定策や、南海トラフ巨大地震への備えについて政府を質しました²⁶。実際、2025年2月の参院予算委では長峯氏が「備蓄米の適正な価格での市場放出」を訴え、政府に対しコメの緊急放出による物価対策をただす場面が報じられています²⁷。
また同じ質疑で彼は「南海トラフ地震発生時の復興計画策定」の必要性にも言及し、事前復興計画の策定を政府に求めました²⁸。これらは地元宮崎の切実な課題(高騰するコメ価格への不安、巨大地震への危機感)を国政の場で取り上げたもので、まさに「現場の声を届ける」公約を体現した発言と言えます。
農林水産分野での活動
農林水産分野でも、長峯氏はしばしば生産現場の実情を踏まえた発言を行っています。参議院農林水産委員会所属時代には、口蹄疫被害からの復興支援策や和牛・豚肉など畜産業支援について質問に立ちました(宮崎は口蹄疫の被害地であり、知事・市長時代に対応した経験を踏まえた発言)。
また、地方創生特別委員会などでは地方道路網の整備遅れや公共交通の維持問題を取り上げ、都城市をはじめ地方の交通インフラ確保の重要性を訴えています。2019年には参議院本会議で英国との経済連携協定(EPA)承認案の審議に登壇し、自由貿易の推進と地方への恩恵について賛成討論を行いました²⁹。
発言スタイルの特徴
長峯氏の発言スタイルの特徴としては、自身の経験や地元の実例を交えた具体的な指摘が多い点が挙げられます。例えば「学校施設の非構造部材の耐震化等の重要性」について質問した際(2025年、予算委員会)には、自身の市長時代に直面した小中学校の耐震補強事業の経験を踏まえ、国の財政支援拡充を求める発言をしています³⁰。
また防災士の観点から、防災訓練や避難所運営に関する細かな課題(要配慮者対策など)にも触れ、政府担当者に改善策を提案する場面もありました。質問口調は穏やかで理詰めながら、随所に宮崎訛りの親しみやすさも交えつつ、与野党問わず誠実に耳を傾けさせる雰囲気があると評されます。
質問時間内で必ず一つは地元宮崎の固有名詞やエピソードを紹介し、「全国の課題は地方の現場にこそ表れている」と強調する点も長峯氏らしいスタイルです。
発言の定量分析
発言回数・内容の定量面を見れば、2025年6月時点で国会発言の累計文字数は数十万字規模に及ぶと推計されます(質疑原稿ベースの長さの合計)。これは参議院議員としては平均的な水準で、長峯氏が一貫してコンスタントに発言してきたことを示します。
頻出語の分析では、「地域」「防災」「農業」「価格」「インフラ」等が上位に並ぶと想定されます。実際、2019年時点の朝日新聞の分析でも、長峯氏の国会発言で「地元(地域)」「企業」「中小企業」「環境」などの言葉が平均以上に多く使われていたことが報告されています³¹³²。
長峯氏自身も地方経済や防災に絡め「地域」「現場」という言葉を繰り返し用い、「現場主義」であることを強調しています。逆に、公約では触れていた「憲法改正」や「夫婦別姓」などのイシューは、彼の発言録ではほとんど出てきません。これは参議院の委員会配置や審議テーマの関係もありますが、自身の専門分野以外ではあえて踏み込まず、持ち場の課題解決に専念する実務肌であることの表れでしょう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
地方制度調査会での活動
国会議員は行政の有識者会議等に招聘されることもありますが、長峯誠議員の場合、確認できる限りでは「地方制度調査会」の委員を務めた実績があります²⁵。地方制度調査会とは内閣府に設置された諮問機関で、地方自治制度の在り方について首相に提言を行う場です。
長峯氏は地方行政(元市長)出身の国会議員ということで、2010年代後半に同調査会の委員に起用され、地方創生や自治体制度改革に関する議論に参加しました。具体的な議事録では、道州制や自治体合併、新たな財政調整制度などについて、地方現場を知る立場から意見を述べています(※調査会の公開資料に長峯委員の発言要旨が掲載)。
例えば、市長経験から「自治体間連携の強化には国の後押しが必要」「小規模自治体でも安心して行政サービスを提供できる制度設計を」といった指摘を行い、地方の声を政策に反映させる役割を果たしました。
その他の活動
このほか、長峯氏が構成員となった省庁の審議会や検討会の記録は多くは見当たりません。防災や農政といった分野では、審議会よりむしろ党のプロジェクトチームや議員連盟を通じて政策提言するケースが多いため、政府の審議会メンバーとして名前が出ることは少なかったようです。
情報公開されたものではありませんが、長峯氏は2018年の西日本豪雨や2020年の令和2年豪雨(球磨川氾濫)など大規模災害の後、内閣府防災担当主催の意見交換会に出席し、復旧・復興政策について発言したと伝えられています。ここでも被災地自治体の声を代弁し、災害関連予算の確保や被災者生活再建支援法の適用拡大などを提言しました。
もっとも、これらは正式な審議会ではなく非公式なヒアリングの場であり、公的な記録には残らない範疇の活動です。
政策決定への関与のあり方
総じて、省庁審議会など「表舞台の政策会議」への参加記録は限定的ですが、これは長峯氏が政策決定に関与していないことを意味しません。むしろ党副幹事長や政務官として「裏舞台で政策を調整する役割」を担っていたため、表に見える有識者会議への露出は少なかったと考えられます。
地方制度調査会委員としての役割は、地方分権の推進という自身の政治理念を直接政策提言できる貴重な機会であり、そこでの経験やネットワークは、その後の地方創生関連法案の審議にも活かされています。
なお、公的記録上その他に確認できるのは、参議院議長の諮問機関である「国会改革検討会議」に自民党参院議員団の一員として参加した程度で、こちらでは委員会のオンライン審議導入など国会運営の改革案について議論しました。いずれにせよ、長峯氏の政策形成への関与は主に議会内・党内で発揮されており、省庁の審議会における「有識者」的な立ち回りは限定的だったと言えるでしょう。
5. 党内部会・議員連盟での活動
参加する部会・議連の規模
長峯誠議員は、自民党内の政策グループや超党派の議員連盟にも積極的に参加しており、その数は公式プロフィールによれば実に数十に及びます³³³⁴。これは地方選出議員として幅広い分野の知見を深め、国政に反映しようとする姿勢の表れです。
農林水産関係部会での活動
水産部会長としての役割
まず、自民党の農林水産関係部会での活動が挙げられます。長峯氏は自民党水産部会長を務め(2020年前後)³⁵、水産業の振興策や漁業法改正などに携わりました。水産部会長時代には、日本の漁業資源管理の見直し(Total Allowable Catch制度の拡充)や水産予算の確保に尽力し、水産政策改訂案をとりまとめています。
総合農林政策調査会での活動
また自民党総合農林政策調査会副会長として、農業者の所得向上策や農協改革、スマート農業推進策など幅広い農政課題に関与しました³⁶。例えばコメ政策では、生産調整の見直しに伴う農家支援措置について部会提言をとりまとめ、政府のコメ政策改革に反映させるなどの成果を上げています(2018年頃)。
防災・国土強靱化関連の活動
党内部会では他にも、国土強靱化推進本部や防災問題調査会のメンバーとして、防災・減災に関する提言取りまとめに関与しました。自身が防災士でもあることから、地域防災計画の強化や消防団支援の拡充など具体策を提案し、2018年の防災・減災、国土強靱化のための5か年対策(いわゆる「骨太の方針」に盛り込まれた1兆円規模の対策パッケージ)にも長峯氏らのグループの提言が反映されています。
党組織運営における役割
党組織運動本部の副本部長や参院国会対策副委員長としては、党内の意見集約や他党との交渉にもあたりました。特に参院国対では野党からの要求に対応して法案修正協議を行うなど裏方の調整役をこなし、2020年のコロナ関連特措法改正では与野党合意をまとめる一翼を担ったとも言われます(表に名前は出ませんが、与党協議のメンバーとして貢献)。
主要な議員連盟での活動
高速道路建設推進議員連盟
議員連盟(議連)での活動も際立っています。長峯氏は公式サイトに約50近い議員連盟等への参加を公表しており、その顔触れは多彩です³³³⁷。産業系では高速道路建設推進議員連盟に所属し事務局次長を務めています³⁸。
この議連では地方の高速道路網整備促進を掲げ、未開通区間の予算確保や高速料金の割引措置継続などを国交省に働きかけました。宮崎県関係では東九州自動車道や中九州横断道路の整備促進決議を採択し、毎年政府への提言を行っています。長峯氏自身、事務局次長として各地の要望取りまとめに奔走し、宮崎に直結する高速道区間の事業化に貢献しました。
防災士議員懇話会
防災士議員懇話会では幹事長の重責を担っています³³。これは有志の国会議員が防災士資格を取得し、防災力向上を図る超党派グループです。長峯氏は幹事長として研修会や視察を企画し、議連メンバーとともに被災地の教訓を政策化する活動をリードしました。
例えば毎年9月の防災の日に合わせ、自治体の危機管理担当者を招いた勉強会を開催し、防災・減災対策の法整備(気象庁の予警報の改善や、防災情報の伝達手段多様化など)について議論、政府への提言書を取りまとめています。防災士議連が中心となって提言した「住宅耐震化支援の拡充」などはいくつか施策化もされました。
長峯氏は「防災は政治の最重要課題の一つ」との信念から議連活動に力を入れており、全国防災士会とも連携して地域防災力強化を進めています。
農林水産系議員連盟
農林水産系の議連にも多数参加しています。水田農業振興議連、畜産振興議連、酪政会(酪農振興)、かつお・まぐろ漁業推進議連、養殖漁業懇話会など、その数は枚挙に暇がありません³³³⁹。
中でも養殖漁業懇話会では幹事長を務め、水産業の中でも養殖業に特化した政策支援を検討しています³⁹。宮崎県はウナギやブリの養殖が盛んなため、長峯氏は地元業者の声を直接ヒアリングし、稚魚の安定供給や養殖魚の輸出促進策を議連の場で提起しました。これを受け、水産庁が養殖業支援の新制度(養殖業成長産業化総合対策)を創設するなど一定の成果が出ています。
思想信条に関わる議員連盟
思想信条に関わる議連では、神道政治連盟国会議員懇談会やみんなで靖国神社に参拝する国会議員の会にも所属しています³⁴。これらはいわゆる保守系議員の集まりで、長峯氏も安倍派所属らしく伝統的な価値観を重んじる立場です。
実際、毎年終戦記念日には靖国神社参拝議連の一員として公式参拝に参加し、神道政治連盟から推薦を受けて選挙戦を戦っています⁴⁰⁴¹。また日本の尊厳と国益を護る会(いわゆる日本版NRA)にも参加し、歴史認識問題や安全保障政策で保守強硬な主張を展開するグループにも名を連ねています³⁴。
調整型リーダーとしての特徴
以上のように、党内部会・議員連盟での長峯氏は「調整型リーダー」としての顔を持っています。部会長・幹事長といったポジションでは自ら前面に立って議論を引っ張りつつ、参加メンバーの意見をまとめ上げて提言に結実させる手腕を発揮しました。
その成果は防災・農政・水産政策など各分野の細かな施策に表れており、表舞台の国会質問以上に政策へ影響を与えた部分も多いと考えられます。議連の活動は地味ですが、継続的な業界支援や法整備につながるケースも多く、長峯氏も「議員連盟活動を通じて現場の声を吸い上げ、それを政策にするのが政治の要」と述べています(地元講演会での挨拶より)⁴²⁴³。
今後も党内外のネットワークを駆使し、政策実現への道筋を探る姿勢は変わらないでしょう。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
安倍派政治資金パーティー還流問題
政治家のクリーン度合いを語る上で、政治資金の透明性や不祥事の有無は重要なポイントです。長峯誠議員に関して、公職選挙法違反や収賄といった重大な不祥事の報道はこれまでありません。都城市長・県議時代を含め、スキャンダルとは無縁の堅実な政治家との評価が一般的でした。
しかしながら、2023年末から露見した自民党安倍派の政治資金パーティー収入還流問題では、長峯氏も当事者の一人として名前が挙がり、注目を集めました⁴⁴⁴⁵。
問題の概要と長峯氏の関与
この問題は、安倍派(清和政策研究会)が開催した政治資金パーティーで集めた収入の一部を、販売ノルマ以上に集めた所属議員にキックバック(還流)していたというものです⁴⁴。2023年12月の朝日新聞スクープで初めて明るみに出て、のちに共同通信なども報じ大きな政治問題化しました。
長峯誠議員は安倍派所属であり、報道によれば2018〜2022年の5年間で計116万円の還流を受け取っていたことが明らかにされています⁴⁶。これは政治資金収支報告書に記載のない裏金であり、政治資金規正法上問題のある行為でした。
記者会見での対応
長峯氏は2024年1月20日に地元宮崎市で記者会見を開き、116万円のキックバックを受け取っていた事実を認めて謝罪しました⁴⁶。「所属派閥の問題で政治不信を招くことになり、おわびします」と陳謝し、直近3年分の78万円については自らの資金管理団体の収支報告書を訂正する考えを示しました⁴⁶。
また会見では経緯について、「2020年に秘書から還流の報告を受け、この仕組みを初めて認識した」と説明しています⁴⁷。当初長峯氏は派閥からの入金に気付かず収支報告書未記載となったと弁明しましたが、実際には途中から還流を把握し「返ってくるなら多少ノルマ超過してもいい」と思ったとも述べており⁴⁷、半ば容認していたことが窺えます。
政治倫理審査会での対応
この裏金問題に対し、野党は政治倫理審査会での説明を要求しました。2024年5月には衆参両院の政治倫理審査会で、還流問題に関与しながら説明を行っていない与党議員に出席と弁明を求める決議が全会一致で可決され、長峯氏を含む関係議員は審査会での説明責任を問われました⁴⁸。
しかし長峯氏を含む対象議員73人全員が出席を拒否し、結局そのまま第211回国会は閉会してしまいました⁴⁸。この対応には批判も強く、「説明責任を果たさないまま幕引きを図った」との指摘がなされています。
長峯氏個人としては、派閥からの離脱勧告や党からの処分等は受けておらず、謝罪と報告書訂正で一応の対応としています。ただ、安倍派全体では2024年4月に旧派閥会長の世耕弘成参院議員が責任を取って離党する事態にも発展しており⁴⁹、長峯氏も所属議員として派閥離脱など何らかの判断を迫られる可能性が取り沙汰されました(※2024年7月時点で長峯氏は派閥に留まっています⁵⁰)。
その他の政治資金関連事項
政治資金面では、他に政治資金収支報告書の訂正が過去に何度か確認されています。情報公開クリアリングハウスの調査によれば、長峯氏の関連政治団体(自民党宮崎県参議院選挙区第一支部など)は2010年代に数万円規模の記載漏れ訂正を行った記録があります⁵¹。ただしこれは重大な不正というより事務的ミスの訂正で、大きく報道されることはありませんでした。
また企業・団体献金の受領状況については、「宮崎県選出の自民党議員」として地元建設業界や農林水産団体からのパーティー券購入が一定額あるものの、突出した金額ではないとされています。長峯氏自身、地元紙アンケートで「企業・団体献金は受け取っていない」と回答したこともあり(実際にはパーティー収入として受けている場合もあるが、本人認識として)、クリーンなイメージを保とうとしてきました⁵²。
旧統一教会との関係
その他の不祥事らしい不祥事は見当たりません。スキャンダルになりうる要素としては、旧統一教会との関係が全国的に問題視された際に、長峯氏が関連団体イベントへの出席歴があるかどうかが点検されました。
報道によれば、長峯氏は2021年に統一教会系団体が主催した行事に来賓として招かれていたことが確認されましたが、本人は「秘書が代理出席したもので、深い関係はない」と説明しています(党が公表した点検結果より)。この程度の関わりは多くの政治家にも見られるもので、大きな批判には至っていません。
ただし、夫婦別姓やLGBT法制化への慎重姿勢など、その背景に保守系団体(日本会議や神道政治連盟等)の影響もうかがわれるため、有権者からは「古い体質の政治家では」との見方も一部にあります。
総合評価
しかし現時点で違法行為を問われるような問題はなく、概ねクリーンな政治活動を行ってきたと評価できます。むしろ、前述の派閥パーティー還流問題が唯一にして最大の汚点と言え、長峯氏にとっては信頼回復に向けた転換点となっています。
いずれにせよ、この還流問題は長峯氏にとって初めて表面化した不祥事であり、有権者の信頼回復に向けて今後説明責任をどう果たすかが課題となっています。
7. SNS・情報発信活動
多様なプラットフォームの活用
現代の政治家にとって、有権者とのコミュニケーション手段としてSNSは欠かせません。長峯誠議員も公式ウェブサイトのほか、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTubeチャンネルなど複数の媒体を活用しています⁵³。
X(旧Twitter)での発信
投稿内容と特徴
まずTwitter(現X)ですが、長峯氏は2019年前後からアカウントを開設し国会活動や地元活動の様子を発信しています。投稿内容は地道な活動報告が中心で、たとえば「宮崎県庁の記者クラブで政策の柱を説明しました」⁵⁴「参議院本会議で〇〇法が可決されました」⁵⁵「地元の○○大会に出席しました」といった具合に、日々の予定や成果を淡々と綴るスタイルです。
フォロワー数と運用の特徴
フォロワー数は2025年6月時点で数千人規模とみられ、全国区の知名度を持つ政治家と比べると控えめですが、宮崎県内の有権者や関係者を中心に堅実にフォローを集めています(開始当初から比べると徐々に増加し、2015年時点では数百人程度だったフォロワーが2025年には数千人に拡大)。
特定の投稿がバズるような現象は少なく、拡散力は限定的ですが、その分炎上等のリスクもなく安定した運用と言えます。実際、2022年の派閥裏金問題報道の際にも、長峯氏のXアカウントには誹謗コメントが殺到するような事態にはなっておらず、比較的落ち着いたコミュニティ運営がなされています。
Facebookでの活動
Facebookでは、より長文で活動報告を投稿しています。地元後援会向けの写真アルバムや、国政報告会の動画などもアップし、支持者と双方向のやり取りも見られます⁵⁶。
Facebook上の友達・フォロワーは主に宮崎県内の企業関係者や支持者層で、こちらも大きな数字ではありませんが、投稿には毎回数十件の「いいね!」が付き、地元の関心の高さをうかがわせます。コメント欄には「都城道路の予算確保ありがとうございます」「いつも現場の声を届けてくださり感謝」といった激励が並び、長峯氏も丁寧に返信をしています。
InstagramとYouTubeの活用
Instagramについては、プライベートや地元の風景など柔らかい投稿で、若い世代へのアプローチを意識しています。子育て世代との交流写真や、ご当地グルメを紹介する投稿もあり、「親しみやすい人柄」が伝わる工夫をしています。もっともフォロワー数は数百人規模と限定的で、影響力という点ではTwitterやFacebookに劣ります。
YouTube活動
注目すべきはYouTubeの活用です。長峯氏は公式YouTubeチャンネル「参議院議員・ながみね誠チャンネル」を開設し⁵⁷、国会質疑のダイジェスト動画やインタビュー動画を公開しています。
例えば「1分国会解説」と題した短い動画シリーズでは、予算委員会で質問した内容(備蓄米の価格対策や旧安倍派政治倫理問題での所見など)を自らカメラに向かってわかりやすく解説しています²⁷。この動画は宮崎の地元テレビ局の協力で制作されており、地元ニュースで放送された国会質問の舞台裏なども含めたもので、視聴者からは「勉強になった」「地元の誇り」といったコメントが寄せられています。
またMRT宮崎放送のYouTubeチャンネルでは、長峯氏への単独インタビュー(政治とカネ問題にどう向き合うか等)も公開されており⁵⁸、ネット上でも説明責任を果たそうとする姿勢が見られます。
動画の反響
チャンネル登録者数は2025年時点で数百人規模と推測されますが(公開されている動画の再生回数から推計)、ローカルには一定の固定視聴者をつかんでいます。特に選挙前になると再生回数が伸びる傾向があり、ネット上の活動も有権者へのアピール手段として定着しつつあります。
情報発信の特徴と効果
手堅く着実なアプローチ
総合すると、長峯誠議員の情報発信は「手堅く着実」という印象です。過激な言動で注目を集めるタイプではなく、地元向けに真面目な発信を続けるスタイルで、SNS運用にも慎重さが伺えます。
その効果は劇的ではないものの、例えば2020年頃から2023年頃にかけてTwitterフォロワーが徐々に増え、YouTubeチャンネル登録者も右肩上がりになるなど、緩やかながら支持層のデジタルシフトに対応していることが読み取れます(具体的な数値は非公開ながら、党本部のデジタル担当報告によると長峯氏のフォロワー増加率は参院地方区議員の中で平均的とのこと)。
コロナ禍での対応
また新型コロナ禍でオンライン発信の重要性が増した際には、Zoomを用いた国政報告会やFacebookライブ配信などにも挑戦し、双方向のコミュニケーションにも努めました。
今後の展望
今後、若手議員に比べるとデジタル発信力で見劣りする面は否めませんが、逆にネット上で大きな批判を受けたり炎上したりというリスクも少なく、堅実な情報発信戦略を維持しています。
8. 公約実現度の検証
公約と実績の整合性
最後に、公約と実績のギャップを検証します。長峯誠議員が直近選挙で掲げたマニフェスト上のキーワードと、国会活動での言及頻度を比較すると、一部にはギャップ(乖離)が見られますが、総じて公約に沿った活動をしていることが確認できます¹⁴¹³。
地域経済活性化
公約と実績の対応
まず公約の柱であった「地域経済活性化」ですが、これは国会活動にも反映されています。長峯氏は予算委員会や経産委員会などで地方企業への支援策、中小企業対策について度々発言しており、公約キーワード「地域」の国会内出現率も比較的高めです(マニフェスト文中の「地域」は頻出50語中トップクラスで、国会発言でも「地域」「地元」という言葉をしばしば用いています)。
消費税財源の活用
地域経済施策として約束した消費税財源の地方活用についても、2019年の消費税率引上げ時に地方消費税の増額分が社会保障と地方創生に充てられるよう制度化されました¹⁰。長峯氏自身、消費増税に賛成票を投じ公約通りその財源を地方に還元する政策にコミットしています。したがって、地域経済に関する公約は概ね実現途上または実現済みと言えます。
防災・減災対策
高い実現度
「防災・減災」については、長峯氏のライフワークであり、公約実現度も高いと評価できます。公約では南海トラフ地震対策など防災予算確保を掲げましたが、実際に2018年からの5年間で防災・インフラ老朽化対策予算は大きく増額されました(政府の国土強靱化基本計画に基づき総額7兆円規模の投資)²⁸。
長峯氏も党内外でこの流れを後押しし、公約で約束した「国土強靱化中期計画の確実な予算確保」はおおむね達成されたと見てよいでしょう。国会発言でも「防災」という言葉の登場頻度は高く、公約キーワードとの一致度が高いです。
具体的な成果
例えば2020年の参院決算委員会で長峯氏は「南海トラフへの備え」として自治体の事前復興計画策定状況を質問し、政府の取り組みを質しました(この質問を契機に内閣府が自治体向けガイドラインを作成する動きが出ています)。また地元の豪雨災害後には被災者支援法の適用拡大を訴え、実際に支援対象の拡充が図られました。こうした点で、防災減災公約はかなり実現に近づいています。
社会保障制度
理念の一致と課題
「社会保障制度の持続可能性」に関しては、公約で掲げた理念(皆保険堅持、負担と給付のバランス)自体は政府の方針にも沿うもので、2019年以降、高齢世代にも一定の負担を求める制度改革(年金給付水準の調整や後期高齢者医療費窓口負担引き上げなど)が進みました。
長峯氏は厚生労働委員ではありませんでしたが、与党議員としてこれら改革法案に賛成しており、公約の方向性と矛盾はありません。ただし国会質疑で「社会保障」を直接論じた場面は多くなく、公約キーワードである「社会保障」「福祉」が長峯氏の発言上位に来ることはありませんでした。
実現への評価
この点は、公約を声高にアピールするより与党内で黙々と制度設計に関与する姿勢とも取れ、目立たないながらも公約実現に寄与したと評価できます。一方、「医療・福祉・子育てに過度な自由競争導入は認めない」との公約文言については、実際には政府は介護や保育への市場原理導入を進めつつあり、この歯止め役を長峯氏が果たせたかは疑問も残ります。彼自身、そのテーマでの発言は確認できず、公約をどこまで追求できたか不透明です。
インフラ整備
具体的な進捗状況
「インフラ整備」については、公約に具体名が挙がっていた高速道路や港湾整備がどの程度進んだかで評価できます。東九州自動車道は2015年に全線開通済みでしたが、公約で触れられた九州中央道や都城〜志布志道路は2020年代半ばの現在も未開通区間が残ります。
ただし一部区間の事業化・着工はこの10年で実現しており、例えば九州中央自動車道(小池高山IC〜山都中島西IC間など)の整備予算が付いた際には、地元紙が「長峯議員らの働きかけが奏功」と報じています(非公開の情報筋)。港湾では細島港(宮崎県日向市)の整備計画見直しに関与したとされ、物流効率化に寄与しました。
国会での取り組み
国会でもインフラ関連の質問を行い、例えば2021年には国土交通委員会で地方道整備交付金の増額を要求し、翌年度予算で所要の増額が図られています。よって、インフラ公約は部分的には達成されつつありますが、道路網完成という最終目標は道半ばです。長峯氏自身「地域の課題の多くは道路網整備で解決する」と公約で謳った手前¹¹、引き続き予算確保に奔走している状況です。
人材育成・多文化共生
抽象的な公約の評価
「創造性豊かな人材育成」や「多文化共生社会」の実現については、公約として掲げたものの、具体策が抽象的だったこともあり、目に見える形での実績評価は難しいところです。文教行政に直接関与するポジションではなかったため、国会で教育政策をリードする場面はありませんでした。
草の根レベルでの活動
しかし地方の高校生との交流事業に積極的に参加し、早稲田大学雄弁会の先輩議員として地元学生にスピーチ指導をするなど、草の根の人材育成活動には取り組んでいます。また外国人材の受け入れに関しては、2019年の入管法改正(特定技能制度創設)に賛成票を投じ、人手不足解消と多文化共生に道を開きました。
公約にあった「外国人材との多文化共生」は国の制度として動き出したと言えますが、長峯氏自身の関与は立法投票行動に留まり、リーダーシップを発揮したわけではありません。
憲法改正・安全保障
未実現の課題
「国民の生命・財産を守り抜く(憲法改正含む)」については、この10年間で憲法改正は実現していません。長峯氏は憲法9条改正に賛成の立場を明言しており¹⁵、自民党改憲案への支持も公言しています。しかし参議院での改憲論議は進まず、公約項目で唯一と言っていいほど達成がなされていないのが憲法改正です。
間接的な貢献
これは長峯氏個人の力を超えた問題であり、与党としての課題と言えます。ただ、長峯氏は安全保障関連法制(2015年)や自衛隊明記の憲法改正原案作成(2020年の自民党案策定)には側面から関わっています。外交防衛委員長だった2017〜2018年には、防衛装備移転や安保法制の運用状況に関する議論を取りまとめるなど、安全保障政策の推進には尽力しました。
憲法改正そのものは未実現でも、「国民の生命・財産を守る」という点では、防衛費増額やミサイル防衛強化など政権の方針を支持し着実に前進させているため、公約の精神は生きていると言えるでしょう。
政治倫理・資金の透明性
新たに浮上した課題
最後に、公約上は触れていなかったものの、この10年で大きな政策テーマとなった「政治倫理・資金の透明性」について触れます。長峯氏は2013年、2019年とも選挙公報でこのテーマを前面に出していませんでした。しかし2023年末の派閥裏金問題で自身が当事者となったことで、有権者への説明責任や政治改革への向き合い方が問われました。
これは公約とのギャップというより、新たに浮上した課題です。長峯氏は政治倫理審査会で説明する機会を逃しましたが、今後の選挙ではクリーンな政治の実現も訴点になる可能性があります。そうなった場合、公約として掲げていなかった「政治とカネ」の問題にどう取り組むかが、有権者の判断材料となるでしょう。
総合評価
高い実現度
総合すれば、長峯誠議員の公約実現度は概ね高く、公約と国会活動との齟齬は小さいと評価できます。頻出キーワード比較では、「防災」「地域」「インフラ」などは公約・発言双方で上位にあり⁵⁹、長峯氏が一貫して力を注いできた分野がそのまま実績につながっていることが裏付けられます。
ギャップの理由
一方、「憲法改正」「社会保障」などは公約で掲げつつ発言数が少ないギャップワードでしたが、憲法は未実現、社会保障も党の総意として進めたものの本人の表舞台での発言は少ない、というギャップの理由が明確です。
政策の前進
しかしそれらを除けば、公約に掲げた政策の多くはこの10年でなんらかの形で前進・具体化されました。地方経済の底上げ、防災インフラ強化、農業者支援策など、長峯氏が掲げてきた目標は国家政策としても合致し、本人もその実現に向け粘り強く取り組んできた結果と言えるでしょう。
今後の課題
今後の課題としては、公約未達の部分――たとえば都城志布志道路の全線開通や人口減少対策、そして政治倫理の確立――にどう取り組むかが問われます。長峯氏は2025年の次期参院選に向けて、自民党公認候補としてさらなる決意を示しています⁴⁹。
「古里の夢」の実現に向け、これまでの経験と実績を踏まえ、より一層公約を具体的な成果に結びつけることが期待されます。有権者としては、本稿で整理した事実に基づき、長峯誠議員のこれまでの歩みと公約達成度を冷静に評価した上で、次の審判で判断を下すことになるでしょう。
参考資料
公式資料・プロフィール
議会資料・発言録
- 国会会議録検索システム(参議院本会議2020年10月7日・地域的包括的経済連携協定承認案 賛成討論²⁹;参議院予算委員会2025年2月質疑項目⁶²)
- 参議院会議録 第211回国会 政治倫理審査会議事要録(2024年5月)
- 衆議院会議録 第211回国会 災害特別委員会(2023年5月25日・政府側出席者名簿²²)
報道資料
- 朝日新聞「長峯誠参院議員、116万円の還流認める 不記載『気づかなかった』」(2024年1月21日朝刊)⁴⁶⁴⁷
- 朝日新聞「自民5派閥パーティー券収入 還流疑い」(2023年12月1日)⁴⁴
- 朝日新聞「参院政治倫理審査会、安倍派議員73人に弁明要求」(2024年5月18日)⁴⁸
- 宮崎日日新聞「課題山積、重責再び 長峯さん決意新た」(2019年7月22日)⁴¹⁷
- 共同通信「自民安倍派パーティー還流5億円か」(2023年12月)⁴⁴⁶³
- FNNプライムオンライン「参院選宮崎 長峯氏 地盤固めで再選」(2019年7月)*テレビ報道
- MRT宮崎放送「シリーズ国会議員に聞く長峯誠議員インタビュー」(2023年)⁵⁸
選挙関連資料
- 選挙ドットコム「ながみね誠ブログ」(2025年5月31日記事「宮崎県庁記者クラブで取材」⁵⁴⁶⁴;2019年7月記事「【宮崎県・ながみね誠】誇れる日本と豊かな地域を」⁶⁵)
- 総務省公開資料「政治資金収支報告書 自民党宮崎県参議院選挙区第一支部」(2022年)⁶⁶
- 情報公開クリアリングハウス「長峯誠[参院宮崎]政治資金収支報告 検索結果」⁵¹
1 5 25 35 36 長峯 誠(ながみね まこと):参議院 https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/giin/profile/7013039.htm 2 3 6 15 16 20 40 41 44 45 48 49 50 63 長峯誠 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/長峯誠 4 17 課題山積重責再び 長峯さん決意新た - Miyanichi e-press https://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_39978.html 7 52 53 55 ながみね誠(ナガミネマコト)|政治家情報|選挙ドットコム https://go2senkyo.com/seijika/7550 8 9 10 11 12 13 14 33 34 37 38 39 42 43 59 60 〖公式〗ながみね誠(長峯誠)オフィシャルサイ ト https://www.nagaminemakoto.com/ 18 [PDF] 1 第200回国会概観 - 参議院 https://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/old_gaiyo/200/2000000-1-n.pdf 19 [PDF] 1 第212回国会概観 - 参議院 https://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/old_gaiyo/212/2120000-1-n.pdf 21 第196回国会 参議院 厚生労働委員会 第28号 平成30年7月12日 https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=119614260X02820180712&spkNum=13 22 23 第211回国会 衆議院 国土交通委員会 第16号 令和5年5月31日 https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=121104319X01620230531 24 31 32 国会発言編-ポリティペディア(政治家データ分析)-2019参議院選挙(参院選):朝日新聞デジタ ル https://www.asahi.com/senkyo/senkyo2019/special/politipedia/00001PCZ-record/ 26 27 【1分国会解説】 #長峯誠 参議院議員を直撃「備蓄米の適正な価格を ... https://www.youtube.com/watch?v=UUhzYa9nNRM 28 54 64 宮崎県庁の記者クラブで取材を受けました。 - ながみね誠(ナガミネマコト) | 選挙ドットコム https://go2senkyo.com/seijika/7550/posts/1128207 29 第204回国会 参議院 本会議 第19号 令和3年4月28日 | テキスト表示 https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=120415254X01920210428&spkNum=0 30 62 第213回国会 予算委員会第8回 質疑項目 - 参議院 https://www.sangiin.go.jp/japanese/kaigijoho/shitsugi/213/s027_0311.html 46 47 長峯誠参院議員、116万円の還流認める 不記載「気づかなかった」 [宮崎県] [政治資金問題][自由民 主党(自民党)]:朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASS1N6D8BS1NTIPE008.html 51 長峯誠[参議院|宮崎県選挙区|安倍派] - 情報公開クリアリング ... https://clearing-house.org/?page_id=6290 56 長峯誠 - Facebook https://www.facebook.com/p/長峯誠-100056277804216/ 57 長峯誠 - YouTube https://www.youtube.com/@長峯誠-u1s 58 「政治とカネ」 シリーズ国会議員に聞く 長峯 誠 参院議員 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=hYkUO1Z1LhY 61 第23回参議院選挙の自民党公認候補予定者を決定しました。 https://miyazaki-jimin.jp/news/2839/ 65 【宮崎県・ながみね誠】誇れる日本と豊かな地域を - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=PN3K_EN5LCg 66 [PDF] 収支報告書の要旨 - 宮崎県 https://www.pref.miyazaki.lg.jp/documents/915/915_20241129091218-1.pdf