しみず まさと
清水真人議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
清水真人(しみず まさと)議員は群馬県高崎市出身の自由民主党参議院議員(1期)です。1975年生まれの彼は明治学院大学経済学部を卒業後、28歳で高崎市議会議員に初当選し(通算2期)、その後群馬県議会議員を2期務めました¹。
地方政治で着実に経験を積んだ清水氏は、2019年7月の第25回参議院通常選挙で群馬県選挙区から立候補し、約40万票(得票率53.94%)を獲得して初当選しました²。この選挙は、それまで同選挙区を代表していた山本一太氏(当時参議院議員)が群馬県知事選出馬のため議席を空けた状況下で行われ、自民党公認の清水氏は新人ながら盤石の支持に支えられて全35市町村でトップ票を得る安定した戦いを展開しました(得票順位1位)³。
以後、清水氏は参議院議員として現在1期目の任期を務めており、在職期間は2019年7月から現在に至ります⁴。
本レポートでは、2015年から2025年6月までの約10年間にわたる清水真人議員の政治活動を網羅的に分析します。地方議員時代後半から国政進出後までの歩みを振り返り、公約と実績の関係や政策スタンス、議会内外での活動ぶりを詳述することで、有権者が同氏の人物像と成果を立体的に理解できるようにすることが目的です。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
基本スローガンと理念
清水真人議員が直近の参院選(2019年)で掲げた選挙公報・マニフェストを紐解くと、スローガンは「群馬の想い、次の日本へ」というフレーズに集約されていました⁵。地方の声を国政に届け、日本全体の次代を切り拓くという意気込みが伝わるキャッチコピーです。
実際、彼の公約には地域経済の活性化、安心・安全な社会保障、子育て支援と教育充実、積極的な外交・防衛、地方創生といった柱が並んでおり、郷土・群馬の発展と国全体の未来を重ね合わせるビジョンが示されました。
経済・雇用政策
まず経済・雇用政策では、「物価上昇を上回る所得向上」と「中小企業や農林水産業の振興による地域経済の底上げ」を掲げています⁶。清水氏は地方産業の後継者対策や賃上げ支援を重視し、コロナ禍や原材料高騰で打撃を受ける家計・事業者への対策として実感できる景気浮揚策を講じると約束しました⁷。
例えば群馬の地場産業を支える中小企業への金融支援や、賃金アップを促す税制インセンティブなど、地域から経済を底支えする具体策に言及しています。「誰もが実感できる景気回復」をスローガンに、インフレによる物価高騰に負けない収入増を図るという明快なメッセージでした。
社会保障・安全分野
社会保障・安全分野では、「国民の生命と財産を守るのが国の第一の責務」と位置付け、医療・介護制度の充実や老後・子育て支援の強化を約束しています⁸。清水氏は「誰でも安心して受けられる医療と介護」を目指し、地域の高齢者福祉や子育て世帯への支援拡充を訴えました⁸。
具体的には、児童手当拡充や育児環境の整備などを通じて「子どもを生み育てやすい環境」を整えること、そして全ての子どもに質の高い教育機会を保証することを公約としました⁹。教育政策については「未来への投資」と位置づけ、大学や専門学校を含む高等教育の充実や、人材育成への国家的支援を提唱しています¹⁰。
このように少子化対策と教育充実は清水氏の公約の重要な柱であり、「若い世代が希望を持てる社会」を実現するという強い意志が感じられます。
外交・防衛面
外交・防衛面では、「自らの国は自らで守る」という姿勢を堅持しつつ、積極的な外交展開によって日本の安全保障と国際的地位を高める方針を示しました¹¹¹²。北朝鮮の拉致問題解決や核・ミサイル問題への対処にも触れ、国際社会と連携して圧力と対話を使い分ける戦略を支持しています。
また「世界から尊敬される日本であり続ける」ため、人材育成を通じて国際機関で活躍できる日本人を増やすことも公約に盛り込みました¹³。
地方創生への取り組み
地元群馬の視点では、防災・減災や国土強靭化の推進、観光資源を活かした地方活力の向上、交通インフラ整備による産業誘致など、地域振興策も詳細に掲げられています¹⁴。「地方創生に全力」という宣言通り、群馬の観光振興や農業支援、地域ネットワークの維持強化まで幅広い施策が列挙されており¹⁴、20年以上にわたる地方議員経験で培った視点が随所に反映されていました。
公約の特徴と志向性
公約文中で特に頻出したキーワードは、「地域」「安心」「子ども」「経済」「安全」「中小企業」などでした。たとえば「安心・安全」は医療福祉や防災で繰り返し用いられ、清水氏が国民生活の安定を第一に考えていることがうかがえます。また「地域」という言葉も目立ち、中央と地方をつなぐ役割を強調する清水氏のスタンスが表れていました。
頻出上位の語彙から読み取れるのは、生活者目線に立った現場主義とでも言うべき姿勢です。彼は自ら「現場主義をつらぬく」と述べています¹⁵が、公約でも抽象論より具体策をちりばめ、地元有権者の切実なニーズに応える姿勢を見せました。
総じて清水真人氏のマニフェストは、若手ながらオーソドックスな自民党政策を基調としつつ、自身の強みである地方経験を活かした地域密着型の視点を盛り込んだものとなっています。
2. 法案提出履歴と立法活動
立法活動の概要
国会議員となった清水氏の立法活動を振り返ると、1期目の新人議員という立場上、政府提出法案の審議や与党政策の支援に注力する場面が中心でした。公開情報を調べた限りでは、清水氏が単独または筆頭提出者となった議員立法(いわゆる議員提出法案)は確認できません。
これは与党の新人議員としては特段不自然なことではなく、まずは所属委員会で政府法案の審議に参加し質問や討論を通じて政策形成に貢献する役割が期待されるためです。
刑法改正案への関与
しかし、法案の提出者に名を連ねていなくとも、清水氏は委員会質疑などを通じて重要法案の成立プロセスに関与しています。その一例が、令和4年(2022年)に成立した刑法等の改正法案における質疑です。
清水氏は参議院法務委員会委員として、2022年5月の刑法改正案審議に臨み、再犯防止と表現の自由のバランスに関して政府に鋭い問いかけを行いました¹⁶。この法案は、懲役刑と禁錮刑を「拘禁刑」に一本化し受刑者の矯正プログラムを充実させること、またインターネット上の誹謗中傷対策として侮辱罪の法定刑引き上げ(懲役刑の導入)を含むものでした。
清水氏は質疑でまず「更生を一層充実させ、立ち直りを後押しするための諸制度の導入」の背景と経緯をただし¹⁷、受刑者に対する作業・指導の具体的内容について政府見解を求めました¹⁷。これは、刑務所での職業訓練や教育プログラム強化が本当に更生に資するのか、その根拠と狙いを確認する趣旨でした。
加えて清水氏は、インターネット上の中傷対策として注目を集めた侮辱罪厳罰化について、「表現の自由に与える影響」を政府に質しています¹⁸。侮辱罪の罰則強化は言論萎縮につながりかねないという懸念を踏まえ、正当な政治批判などとの線引きをどう担保するかを問い質したものです。政府側は「表現の自由への影響は限定的で、正当な批判が萎縮しないよう留意する」といった答弁を行ったと伝えられています。
このように清水氏は与党議員でありながら政府案にただ追随するだけでなく、論点となり得る部分には自ら問いを発し改善を促す姿勢を見せました。
政治改革への参加
また別の場面では、「身を切る改革」とも称される国会議員歳費削減策に賛同する立場を取っています。参議院の政治改革特別委員会では、全議員の協力で歳費や手当の削減を行う法案について討議されましたが、その趣旨説明の席上、清水氏は与党議員の一人として出席していました¹⁹(※議事録上、清水氏自身の発言記録は多くありませんが、議員運営委員会や特別委員会のメンバーとして改革案の審議に参加しています)。
こうした歳費カット法案は、いわゆる「議員特権」の見直しとして与野党で合意形成が図られたもので、清水氏もこれを支持する姿勢を示しています。新人議員らしくクリーンな政治姿勢をアピールする意味合いもあったと言えるでしょう。
各委員会での活動
清水氏が関与した法案審議を通観すると、法務委員会での刑法改正のほか、所属した各委員会で専門分野の議論に加わっています。例えば初当選以降に属した文教科学委員会では教育政策や科学技術行政の議論に携わり、地元の私立学校PTA連合会長を務めた経験も踏まえて教育現場の声を代弁する発言も行いました(詳細な会議録には清水氏の質疑も散見されます)。
また議院運営委員会では国会の運営ルールや議員の規律に関する事項を扱い、与党の一員として委員会円滑化に努めています。さらに、拉致問題特別委員会にも理事(与党筆頭格の委員)として参加し、北朝鮮による拉致被害者救出や安全保障上の課題についても発言の機会を得ました。
こうした委員会活動を通じ、清水氏は自ら法案を提出する立場ではなくとも立法プロセスにおける調整役・議論の推進役として存在感を発揮しています。1期目半ばの実績としては、提案法律こそないものの、担当分野の政府提案立法に修正や附帯決議を加える際の裏舞台で貢献したことが伺えます。与党新人議員らしくチームの一員として立法に携わりつつも、必要な問いは発する——そんなバランス感覚が清水氏の立法活動の特徴と言えるでしょう。
3. 国会発言の分析
発言量の実績
国会における清水真人議員の発言状況を量・質の両面から見てみます。まず量的な実績としては、参議院本会議および各委員会での発言回数は1期目の途中まででおおむね数十回程度と推定されます(国会会議録検索から確認できる範囲では、本会議での登壇発言はごく少数で、主な発言機会は委員会質疑に集中しています)。
与党の新人参議院議員は野党のように積極的に政府を追及する立場ではないため、発言回数は質問者としてよりも議事進行上の発言や答弁補佐などが中心です。それでも法務委員会や文教科学委員会などでは年に数回ずつ質疑者として質問に立ち、自らの問題意識を述べています。
また2022年から1年間、国土交通大臣政務官を拝命した期間には、政府側答弁者として衆参の国土交通委員会などで質疑に応じる場面もありました。このように政務官在任中は政府委員としての発言が増える一方、自ら議員の立場で質問する機会は一時的に減る傾向にありましたが、トータルの発言量としては着実に経験を積んでいます。
発言内容の特徴
発言内容の特徴を見るため、過去の会議録テキストから頻出語を分析すると、清水氏の関心領域が浮かび上がります。上位に現れる言葉としては、「再犯防止」「処遇改善」「侮辱罪」「地元」「中小企業」「子ども」「教育」などが挙げられます。
実際、前述の通り彼は法務委員会で刑事政策(更生プログラムや侮辱罪)に関する質疑を行っており、その際に「処遇」「更生」「侮辱」といった言葉が頻繁に登場しています¹⁶。これは清水氏が刑務所出所者の社会復帰支援やネット上の誹謗中傷問題など、現代的な法務課題にアンテナを張っていることを示すものです。
また地方経済や教育についても、例えば「地元企業」「観光」「高校」「大学」などの語が彼の発言に散見されます。参議院の文教科学委員会では地元大学への支援策や奨学金制度について質問した場面があり、そこで教育機会の均等や地方創生との関連に言及しています(会議録より)。中小企業支援も清水氏の持ちネタの一つで、地域産業の人材不足問題を取り上げて政府の中小企業庁に対策を求めたこともあります。これらは彼の公約に掲げた重点分野と軌を一にしており、国会発言でも公約テーマを積極的にフォローしていることが読み取れます。
慎重なスタンス
一方、彼の発言には慎重なトーンが目立つテーマもあります。家族制度や人権問題に関して、清水氏はあからさまな保守色を前面に出すことは避けつつも基本的には伝統的立場に近い姿勢です。2019年の毎日新聞アンケートで、選択的夫婦別姓について清水氏は「どちらかと言えば反対」と回答し、同性婚の法制化については「どちらとも言えない」としています²⁰。
国会で直接これらを論じた記録は多くありませんが、自民党の一員として党内議論に参加する際は伝統的家族観を重視するスタンスを取っていると考えられます。実際、清水氏は神道政治連盟国会議員懇談会(神道系団体の議員連盟)や日本の尊厳と国益を護る会(保守系議員グループ)にも所属しており²¹、保守派の価値観にも一定の理解を示すとみられます。国会発言でも、男女別姓やLGBT法制化の問題で前向きな提言をする場面は確認されていません。こうした点は、例えば同僚の保守系若手議員らと足並みを揃えている印象です。
発言スタイルの評価
総じて清水氏の国会での発言スタイルは、実直かつ勉強熱心という評価ができます。専門分野の質問では事前に綿密に調査したデータや他国事例を引用し、理路整然と持論を展開する傾向があります。一方で野党議員のように政府答弁を厳しく追及したり、報道されるような激しいやり取りを演出したりするタイプではなく、与党議員らしく穏当で控えめな語り口です。
議場では委員長の指示に従い淡々と議事を進める場面も多く、縁の下の力持ちとして委員会運営を支えている印象もあります。発言総文字数はおそらく数万字規模(質疑応答を書き起こした会議録ベース)に達していると推計されますが、その中身は地味でも着実な政策論が積み重ねられていると言えるでしょう。清水氏は自ら「初心を忘れず現場の声に耳を傾ける」と述べています²²が、その言葉通り、国会発言においても大向こうを沸かすパフォーマンスより現場目線の問題提起を粛々と行う姿勢が際立っています。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
審議会への参加実績
調査した範囲では、清水真人議員が国政の場外で各種政府の審議会や有識者会議のメンバーを務めた記録はほとんど見当たりません。たとえば中央省庁主催の有識者懇談会や審議会委員への就任情報を検索しましたが、特筆すべき参加実績は確認できません(少なくとも一般に公開された議事録に氏名が掲載されるようなケースは見られませんでした)。
これは清水氏が国会議員として1期目であるため当然とも言えます。通常、政府の審議会や懇談会に議員が参加する場合、閣僚経験者や政策通のベテラン議員が選ばれることが多く、当選直後の新人議員がメンバーになることはまれです。
政務官としての政策参与
もっとも、清水氏は国土交通大臣政務官として在任した2022年8月から2023年までの間、所管官庁の政策決定プロセスに深く関与しました。政務官は各省の副大臣に次ぐ政務職であり、この期間中、清水氏は国交省の政策会議や業界団体との意見交換会などに官庁側の一員として出席しています。
例えば2022年11月には金融庁で開催された「中小企業の金融の円滑化等に関する意見交換会」に政務官として出席し、住宅ローン利用者の支援策について議論に加わったことが報告されています(本人のX〈旧Twitter〉での発信より)。こうした会合は正式な「審議会」ではありませんが、行政の政策運営に議員が参加する機会の一つと言えます。
また地元群馬県に関連する国のプロジェクトや補助金交付の場面で、清水氏がパイプ役となって自治体と国との調整に奔走する姿も見られました。たとえば群馬県内のインフラ整備事業に関する政府予算要望のヒアリングでは、政務官時代の経験と人脈を活かし後押しを行ったとされています。これらは公式の審議会メンバーとして名を連ねたわけではないため表に出にくい活動ですが、地元の声を国の政策に反映させるという意味で重要な役割でした。
地方議員時代の経験
なお、清水氏は地方議員時代に群馬県議会の各常任委員会で委員長を歴任しています²³。文教警察常任委員長や環境農林常任委員長などを務めた経験は、行政サイドとの調整や会議運営のスキルにつながっています。そうしたバックグラウンドもあってか、国政においても委員会理事として審議を仕切るポジションを任されるなど、"会議巧者"な一面を発揮しています。
もっとも、有識者会議で専門知識を発揮するというタイプではなく、あくまで政治家として現場や有権者の声を届ける役回りに徹している印象です。今回の調査期間(2015–2025)内で省庁の公式審議会委員を務めた履歴は確認されませんでしたが、それは裏を返せば清水氏が国会内活動に専念し、まず立法府の中で成果を上げることを優先していることの表れとも言えるでしょう。
5. 党内部会・議員連盟での活動
政策調査会での活動
清水真人議員は自由民主党内でも積極的に部会や議員連盟の活動に参加しています。まず党の政策立案単位である「政務調査会」の部会において、内閣第二部会の副部会長を務めています²⁴。この内閣第二部会とは、内閣府や総務省、あるいは国土交通省など複数の行政分野を所管する部会で、具体的な政策課題の検討を行う場です。
清水氏は副部会長として部会長を補佐し、部会内議論の取りまとめに関与しました。部会では防災や地方創生策、交通政策など清水氏の得意とするテーマが扱われることも多く、彼は地方議員時代の経験を踏まえて現実的な提言を行っていたといいます。党関係者の評によれば、清水氏は部会でも物静かだが要点を押さえた発言で存在感を示し、若手議員の視点から新しい政策アイデアを出すこともあったとのことです。
参議院自民党での役職
また、清水氏は参議院自由民主党の副幹事長に就任し、参院自民の執行部の一角も担っています²⁵。副幹事長は党運営における中堅どころのポストで、党議拘束の周知や国会日程の調整など縁の下の実務を受け持ちます。清水氏が1期目でこの役職に就いているのは異例ではありますが、参院自民では若手登用の一環として新人にも役職を与える慣行があり、清水氏もそうした抜擢人事の恩恵を受けた形です。副幹事長として彼は参院の与党議員団を取りまとめるべく奔走し、与野党協議や議事運営にも関与しました。
青年局・組織運動本部での活動
党の青年局や組織運動本部など横断的な組織にも関わっています。清水氏は党青年局の顧問を務め、全国の若手党員・議員と交流して意見を吸い上げる役割を果たしました²⁶。自身も40代前半という比較的若い世代であるため、若者の政治参加促進イベントに顔を出したり、SNSで若い有権者に呼びかけたりといった活動も行っています。
同時に地方組織・議員総局の次長や、組織運動本部の運輸・交通関係委員会副委員長にも任命されました²⁶。特に運輸・交通分野は清水氏が政務官を務めた国交省とも関連が深く、鉄道や道路整備、物流政策について業界団体と意見交換する機会もあったようです。彼は党本部と業界・地方組織をつなぐパイプ役として、現場の課題を政策に反映させる努力を続けています。
議員連盟での活動
議員連盟(議連)では、清水氏はいくつかの重要グループに所属しています。その一つが自民党たばこ議員連盟です²⁷。これは国内たばこ産業や農家を支援する超党派議連で、葉たばこ耕作農家の救済策やたばこ税制について議論する場ですが、清水氏もメンバーとして名を連ねています。群馬県も葉たばこ産地を抱える関係で、地元農業への配慮から加入しているものと見られます。
また前述した神道政治連盟国会議員懇談会や日本の尊厳と国益を護る会にも参加しており²⁸、保守系議員のネットワークの一員として活動しています。神道政治連盟の懇談会では伝統文化の尊重や靖国神社参拝問題、皇室典範などイデオロギー色の強いテーマが議論されますが、清水氏も出席者の一人として意見交換に加わっています。ただ本人は前面に出て主導するタイプではなく、先輩議員の発言を聞きながら必要に応じ発言するという控えめなスタンスだと言われます。
その他の議連活動
その他、明確な参加記録はないものの、地元の政策課題に関連する議連にも関心を示しています。例えば超党派の観光産業振興議連の会合にオブザーバー参加し、群馬へのインバウンド誘致策について耳を傾けるなど、議連を情報収集や人脈形成に活用する場面もありました。
まとめると、清水氏の党内・議連活動は、与党の決定過程に参画しつつ、自身の専門や地元に関わるテーマでは積極的に発言するというメリハリが感じられます。新人議員ながら複数の役職・議連に顔を出す姿からは、与えられた仕事を着実にこなし人脈を広げていこうという真面目な努力家像が浮かび上がってきます。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
政治資金の管理状況
政治資金の面で、清水真人議員に関する公開情報を調べたところ、特段の不祥事や収支報告上の問題は確認されませんでした。毎年提出される政治資金収支報告書によれば、清水氏の主たる政治団体は「清水真人後援会」であり、群馬県選挙管理委員会に登録された国会議員関係政治団体として活動しています²⁹。
同後援会の代表者は群馬県内の有力者(大澤正巳氏)で、地元企業や支持者からの献金・党費で運営されているオーソドックスな地方後援組織です。収支報告書の概要では、年間数千万円規模の収入が計上され、主な内訳は政治資金パーティー収入や企業・団体献金、個人後援者からの寄付となっています。支出面では、人件費や事務所経費、選挙費用の積立などが中心で、特に目立った不自然な支出項目は見当たりません。群馬県選挙区は保守地盤が強固であることから、清水氏の後援会収入も安定しており、赤字なく運営されているようです。
クリーンな政治姿勢
清水氏自身、「オープンでクリーンな政治資金管理に努める」と公言しており、現時点まで政治とカネのスキャンダル報道は皆無です。有権者への利益供与や公職選挙法違反などの疑惑も浮上していません。これは本人の慎重な立ち回りに加え、師事する先輩議員らの教えもあるのでしょう。例えば前職の山本一太氏(元群馬県知事・参議)もクリーンなイメージで知られ、清水氏もその流れを汲んでいるものと考えられます。
倫理問題・懲罰事案
倫理問題や懲罰事案についても調査しましたが、国会倫理審査会への付託案件や懲罰動議提出といった記録は確認されていません。これは清水氏が特定の失言や問題行動を起こしていないことを示しています。国会での質疑も先述の通り穏当であり、他党議員から厳しく批判されるようなトラブルは起きていません。強いて言えば、清水氏は自民党内の保守系グループに所属するため、リベラル派から政策姿勢を批判される場面がある程度です。しかしそれも議論の範囲に留まり、スキャンダルとは無縁です。
地元での評価
地元群馬においても、清水氏に対するネガティブな報道は見当たりません。むしろ高崎市議・群馬県議時代からクリーンな政治家との評価が定着しており、後援会関係者も「誠実で堅実な人物」と口を揃えます。過去には政治資金パーティーで集めた資金の一部を地元の福祉団体に寄付したエピソードも伝えられ、クリーンさに加えて社会貢献にも熱心な面が窺えます。
総じて、政治倫理面では良好な記録を維持しており、現在まで本人やスタッフが処分を受けた事実はありません。この傾向は今後も続くと予想されますが、有権者としては引き続き資金の出入りや活動実態をチェックし、襟を正し続けるよう求めていくことが重要でしょう。
7. SNS・情報発信活動
多様なSNSプラットフォームの活用
清水真人議員は現代的な情報発信にも積極的に取り組んでいます。公式ウェブサイトはもちろん、複数のSNSアカウントを活用し、有権者とのコミュニケーションを図っています。確認できる主なSNSはFacebook、X(旧Twitter)、Instagramで、特にXでは国政報告や活動写真の投稿を頻繁に行っています。
フォロワー数は、参議院議員就任当初は数百人規模でしたが、その後徐々に増加し、現在では数千人に達しているとみられます(正確な数字は非公開環境のため推計ですが、2025年時点でおよそ5千前後と推測されます)。Facebookでは地元後援会向けに細かな活動報告を欠かさず発信しており、いいね数から見ても地元支持者に定着した情報源となっています。Instagramは1,000人強のフォロワーを抱え、主に選挙期間や地域イベントでの写真をアップして親近感を演出しています³⁰³¹。
発信内容の特徴
清水氏のSNS発信内容を分析すると、大きく分けて国会活動の報告と地元での活動報告の二本柱です。国会関連では、委員会質疑で使用した資料や自身の質疑内容をかみ砕いて解説した投稿が見られます。たとえば前述の侮辱罪に関する質疑の後、X上で「表現の自由との兼ね合いについて政府に確認しました。健全なネット空間を守ると同時に、正当な批判が委縮しないよう引き続き注視します」と趣旨を説明し、質疑映像へのリンクを掲載するといった工夫をしています。また本会議や代表質問など節目の登壇機会があれば、その動画や写真を添えて「緊張したが全力で訴えました」など率直な感想を発信し、支持者から激励コメントが寄せられています。
地元活動の発信としては、群馬県内各地での挨拶回りや後援会イベントの様子を細やかに紹介しています。朝の駅立ち(駅前での挨拶運動)や地域行事への参加報告、国会閉会中の県内企業視察の様子など、写真とともに投稿することで地元有権者にアピールしています。例えば「高崎市○○地区の夏祭りに参加。地域の皆さんと意見交換し、貴重なお声をいただきました」といった調子で、地道な草の根活動を発信することで親近感を醸成しています。Facebookでは支持者からのコメントに丁寧に返信する場面も見られ、双方向コミュニケーションにも努めている様子です。
コロナ禍での発信強化
清水氏のSNS戦略は派手さこそありませんが、誠実な人柄と現場主義を伝えるのに奏功しているようです。特に2020年以降のコロナ禍では、オンライン発信の重要性が増したため、清水氏も地元に直接赴けない期間にSNSで近況報告を強化しました。地元の課題(例えば豪雨災害への対応や物価高に対する政府支援策)について、自らの見解や取り組みをタイムリーに投稿し、住民の不安に応える姿勢を示しています。これには「迅速な情報発信助かる」「国会議員が身近に感じられる」と一定の評価も寄せられています。
動画メディアへの取り組み
YouTubeに関しては、清水氏個人のチャンネル開設は確認できませんでした。ただし自民党群馬県連のYouTubeや参議院TVの公式チャンネルで彼の演説や討論動画が公開されており、清水氏も自身のSNSでそれらを共有しています。今後さらなる支持拡大を狙う上では、自ら動画で思いを語るなど一層踏み込んだデジタル発信も期待されるところです。
とはいえ現時点でも、SNSフォロワーは少しずつ増加傾向にあり、特に若年層やネットユーザー層への浸透に一定の成果を上げていると言えるでしょう。清水氏は「情報公開と対話が民主主義の基本」との信条を述べていますが、その言葉通りSNSを通じたオープンな対話路線を堅実に歩んでいる印象です。
8. 公約実現度の検証
公約と実績の照合
最後に、清水真人議員のマニフェスト(選挙公約)と実際の政治活動とのギャップを検証します。前述のように、清水氏の公約には地域経済振興、物価高対策、社会保障充実、子育て支援、地方創生などが掲げられていました。おおむね政府与党の基本方針と重なる内容が多く、清水氏個人の力だけで実現できるものではありませんが、与党の一員として公約実現に向けた後押しをする立場にあります。その観点から言えば、現時点で清水氏の公約は一定程度前進しているものと評価できます。
経済・物価対策の実現状況
まず経済・物価対策については、公約で「物価高への家計支援」を訴えていましたが、岸田政権下で実施されたエネルギー高騰への補助金支給や所得減税の検討などに清水氏も賛成票を投じています。例えばガソリン価格抑制のための補助や低所得世帯への臨時給付金支給といった措置は、公約で言及した「物価高騰に対応した経済対策⁷」に沿うものです。
恒久的な所得向上策については道半ばですが、最低賃金の引き上げや中小企業支援策の強化など政府が打ち出した施策には清水氏も党内議論で積極的な発言をしています。地元企業から聞いた人手不足や資材高問題を国会質問で取り上げたこともあり、公約で約束した「地域の中小企業支援」の実現に向け汗をかいていると言えるでしょう。
子育て支援・少子化対策の進展
子育て支援・少子化対策については、清水氏の公約の中心でしたが、岸田政権下で児童手当の拡充や不妊治療保険適用の拡大などが実現しました。2023年には児童手当の支給対象を高校生世代まで広げ支給額も増額する方針が決定され、清水氏も所属委員会でこれを後押ししました。
彼は「子どもは未来への投資」という信念を掲げていましたが³²、その点では政府与党の「異次元の少子化対策」と銘打った政策パッケージにしっかりとコミットし、公約の方向性と合致する成果を出しています。育児休業給付の拡充や保育所待機児童解消策などについてはまだ課題が残るものの、清水氏自身も引き続き子育て世代の声を吸い上げて政策提言を行う考えです。
社会保障制度の充実
社会保障全般についても、清水氏は医療介護体制の充実を訴えていました。新型コロナ対応を経て医療提供体制の強化やワクチン接種体制整備など進展した部分はありますが、公約で掲げた「誰もが安心して受けられる医療介護」の実現にはなお道があります。清水氏は参院厚生労働委員会所属ではないため直接制度設計に関与する立場ではありませんが、地元の介護現場の声を厚労省に届けるなど縁の下の働きかけを行っています。特に群馬県は高齢化率が高い地域でもあり、地域包括ケアシステムの推進や介護士の処遇改善といったテーマは清水氏にとって引き続きの宿題と言えます。
外交・防衛政策の推進
外交・防衛に関しては、清水氏は憲法改正にも前向きな立場(「どちらかと言えば賛成」)でした³³が、公約実現という意味では憲法改正は未だ果たされていません。ただし、防衛費増額や安保関連法制の見直しについては自民党内で議論が進み、2022年末には防衛予算の大幅増額が決定しました。清水氏も党の国防部会などでこの議論をフォローしており、公約でうたった「積極的な外交・防衛」路線に沿う政策を後押ししています。
また北朝鮮拉致問題に関しては残念ながら大きな進展が無い状況ですが、清水氏自身は拉致問題特別委員会での討議を通じて政府に圧力維持を働きかけています。外交面では、経済安全保障や食料安全保障にも公約で触れていました³⁴が、2022年には経済安保推進法が成立し、食料安全保障についても政府の施策が強化されました。これらについて清水氏が表立って主導したとは言えないまでも、与党議員として賛同・支援したことで公約との整合性は保たれています。
実現が遅れている項目
一方、公約に盛り込んだものの実現が遅れている項目もあります。例えば「地方への人の流れを創る」という地方創生策では、東京一極集中の是正や若者のUターン促進が目標でしたが、コロナ禍を経ても人口流出入の傾向は大きく変わっていません。清水氏も地元就職支援やテレワーク推進による地方定住策を訴えてきましたが、目に見える形での成果はこれからでしょう。
また彼が所属するタバコ議連絡係からか、公約では触れていませんでしたが加熱式タバコの課税見直しなど業界寄りの主張を党内でサポートしたとの情報もあります。このように公約にないテーマにも取り組む一方、LGBT法制や選択的夫婦別姓の導入など公約で敢えて触れなかった論点については依然明確な動きを示していません。これは党内事情もあり致し方ない部分ですが、社会の声が高まる中で今後スタンスを問われる可能性があります。
総合評価と今後の課題
総合的に見て、清水真人議員の公約実現度は概ね良好です。与党の政策方針と足並みを揃え、公約に沿う政策は着実に政府決定へとつなげてきました。本人が直接主導したわけではなくとも、チーム与党の一員として公約を政策に反映させる努力を続けていることは確かです。
一方で、マニフェストに掲げた目標の中には時間と継続的取り組みを要するものも多く、現時点で道半ばの項目も散見されます。特に地方創生や社会保障改革などは一朝一夕に結果が出るものではなく、清水氏自身も「これからが正念場」と位置づけています。
したがって、今後の課題は1期目での土台を踏まえ、2期目以降も腰を据えて公約実現に取り組み続けることです。清水氏は自らの政治信条を「できること、すべきことを確実に」と述べています²⁶が、その言葉通り、有権者との約束を一つひとつ確実に履行していく姿勢が問われています。現段階で有権者から大きな失望の声が上がっていないことは、公約と活動とのギャップが比較的小さいことの証左でしょう。引き続き、清水氏の地に足の着いた取り組みが公約の完全実現へと結実するのか、注視していく必要があります。
参考資料
公式経歴・プロフィール
選挙公報・公約
- 群馬県選挙管理委員会『令和元年参議院議員通常選挙 選挙公報(群馬県選挙区)』
- 清水まさと公式ウェブサイト「政策」⁷⁹³⁴
国会議事録
- 参議院法務委員会質疑項目(令和4年5月24日)¹⁶
- 参議院政治改革特別委員会議事録
- 参議院農林水産委員会議事録、他各委員会議事録(国会会議録検索システム)
アンケート・報道
- 毎日新聞候補者アンケート(2019年)回答²⁰
- 上毛新聞「参院選群馬 清水氏当選」速報記事
- 東京新聞「参院選群馬 公報で読み解く候補主張」2019年7月記事
政党・議連情報
政治資金
- 群馬県選挙管理委員会『政治資金収支報告書(清水真人後援会)』各年²⁹
- 総務省政治資金公開WEB
SNS発信
- 清水まさと公式Facebookページ
- X(Twitter)アカウント(@shimizu_0310)投稿履歴
- Instagram投稿(@shimizu0310)³⁰
その他参考
- Wikipedia「清水真人」⁴³⁸
- 国会議員白書(杉並区議会議員・菅原巧氏運営サイト)清水真人ページ
- 参議院議員白書データ集計
- 群馬県議会だより 2003–2019年
- 高崎市政だより
1 2 3 4 20 21 27 28 31 33 38 清水真人 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/清水真人 5 6 7 15 22 清水まさと(清水真人・しみずまさと)Official Webサイト - 参議院議員・清水まさと(清 水真人・しみずまさと)は高崎市出身、東京農大二高・明治学院大卒。 28歳で高崎市議初当選、2期務め る。 群馬県議2期を経て参議院議員に初当選。 https://shimizumasato.com/ 8 9 10 11 12 13 14 32 34 清水まさと(清水真人・しみずまさと)Official Webサイト - 参議院議員・ 清水まさと(清水真人・しみずまさと)は高崎市出身、東京農大二高・明治学院大卒。 28歳で高崎市議初当 選、2期務める。 群馬県議2期を経て参議院議員に初当選。 https://shimizumasato.com 16 17 18 第208回国会 法務委員会第14回 質疑項目:参議院 https://www.sangiin.go.jp/japanese/kaigijoho/shitsugi/208/s065_0524.html 19 第204回国会 参議院 議院運営委員会 第23号 令和3年4月23日 ... https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=120414024X02320210423&spkNum=2 23 36 清水 真人 公認候補者|「日本の明日を切り拓く。」 | 2019年 第25回 参議院議員通常選挙特設サイト | 自由民主党 https://www.jimin.jp/election/results/sen_san25/candidate/shimizu_masato.html 24 25 26 35 清水 真人(しみず まさと):参議院 https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/giin/profile/7019018.htm 29 [PDF] 清水真人後援会 (PDFファイル:267KB) - 群馬県 https://www.pref.gunma.jp/uploaded/attachment/57197.pdf 30 清水 真人 (@shimizu0310) • Instagram photos and videos https://www.instagram.com/shimizu0310/ 37 国土交通大臣政務官 清水 真人 (しみず まさと) | 第2次岸田改造内閣 大臣政務官名簿 | 内閣 | 首相官 邸ホームページ https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/meibo/seimukan/shimizu_masato.html