あさひ けんたろう
朝日健太郎議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
朝日健太郎(あさひ・けんたろう)議員は1975年熊本県生まれ。法政大学を卒業後、サントリー株式会社で勤務し、バレーボール日本代表(ビーチバレー)として2008年北京五輪と2012年ロンドン五輪に出場した異色の経歴を持つ¹²。
現役引退後はNPO法人理事長としてスポーツ普及や環境保護活動に携わり、2016年の第24回参議院議員通常選挙に東京都選挙区から自由民主党公認で出馬し初当選を果たした³。以降2期連続当選し、現在の所属政党は自由民主党、選挙区は東京都選挙区、通算当選2回である⁴。在職期間は2016年7月から現在まで9年近くに及ぶ。
議員就任後、朝日氏は若手議員として党内外で頭角を現した。2018年には自民党青年局長代理に就任し、街頭活動や若者との対話に積極的に取り組んだ⁵。菅義偉内閣では2020年9月に国土交通大臣政務官に抜擢され、主に水管理・鉄道・住宅・公共交通など国土交通分野を担当して全国のインフラ現場を視察⁶。
2023年9月発足の第2次岸田第2次改造内閣では環境大臣政務官に就任し、環境行政にも携わっている⁷。党内では東京都連会長代行や参議院政策審議会副会長など要職を歴任し⁸⁹、参議院では予算委員や環境委員会理事、国土交通委員会理事など複数の委員会で理事を務めるなど、与党議員として着実にキャリアを積んできた。
2015年から2025年までの分析対象期間において、本レポートは朝日議員の政策公約と実績を総覧し、その政治活動を包括的に評価することを目的とする。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
スローガンと公約の全体像
朝日健太郎氏の直近の選挙(2022年7月の第26回参院選)におけるキャッチフレーズは「決断と実行。暮らしを守る。」だった。これは都民の生活を守るために自ら決断し実行するという強い意志を示したものだ¹⁰。
選挙公報では、「東京からだれもが輝く社会へ」というビジョンが掲げられ、8本の重点政策の柱が提示されたと報じられる。朝日氏の公約の柱には、「子ども・子育て支援」、「災害・減災対策」、「東京五輪・パラリンピックの成功」、「環境・海洋保全」、「経済成長・デジタル化」、「スポーツ振興」などが並んでいたと見られる¹¹¹²。
特に少子高齢化を国家の最重要課題と位置づけ、「子ども・子育て」「教育環境の充実」「健康寿命の延伸」を主要テーマに据えている¹³。この背景には、朝日氏自身が子育て世代であり親の介護も経験する「責任世代」としての実感があると語っており、現役子育て世代の政治家だからこその視点で政策を訴えた¹¹。
マニフェストの具体的施策
朝日氏の2022年公約では、具体的に「安心して子育てができる社会」の実現を掲げ、育児休業法の改正による男性の育休取得率向上や「こども家庭庁」創設への取り組みを成果として挙げた¹⁴。
また「災害から命と暮らしを守る」政策として、豪雨対策のための「流域治水関連法」の成立に尽力したことを強調した¹⁵。さらに「2020東京大会の安全な開催」にも触れ、コロナ禍の中で東京オリ・パラを無事成功させるため奔走したと実績を述べている¹⁶。これらは1期目の自身の成果をアピールすると同時に、2期目も継続して取り組む決意表明でもあった。
頻出キーワード上位と政治姿勢
朝日氏のマニフェストや公式サイトで頻出するキーワードを分析すると、「子ども」「スポーツ」「社会」「健康」「環境」「東京」「海岸」「防災」「働き方」「教育」などが上位に挙がる¹⁷¹⁸。
例えば公式サイトのQ&Aでは「力を入れている政策は何ですか?」との問いに対し、「子供・子育て政策」「海洋環境・領土保全政策」「防災・減災・インフラ政策」「カーボンニュートラル・エネルギー政策」と答えており、まさにキーワード群を裏付ける内容だった¹⁷。
これらから読み取れるのは、朝日氏が若者や未来世代への責任(子育て・教育)と、自らのバックボーンであるスポーツを通じた社会貢献、そして環境保全や防災といった国土の守りに強い関心を持つ政治家であるという姿勢である。スポーツ選手出身らしく「スポーツで人と地域を元気に」という理念が随所に見られ、ビーチや海洋資源を活用した地域活性化策など独自色も光っている¹⁹²⁰。
同時に、東京選出議員として首都直下地震等への備え(減災)やインフラ整備にも言及し²¹、都市と地域の安全保障にも力を入れる姿勢が伺えた。
2. 法案提出履歴と立法活動
提出法案数と成立率
朝日健太郎議員が国会で主体的に提出者となった議員立法(参議院発議法案)は、それほど多くはない。調査によれば、在職中に提出者として名を連ねた法案は数件程度であり、与党の一員として主に政府提出法案の審議に携わる立場が中心だったようだ。提出法案のうち成立したものは1~2件と推定され、成立率は半数程度かそれ以下とみられる(共同提出を含む)²²。
数字の上では目立たないが、これは自民党の参院議員に典型的な傾向でもある。与党議員は政府提案の法律成立に注力し、個人法案より党の政策実現を優先するためだ。
主な立法テーマ
朝日氏が関与した法案を見ると、まず挙げられるのが「流域治水関連法」である。これは近年頻発する線状降水帯による水害対策として、流域全体で治水に取り組む新たな枠組みを整備する法律で、朝日氏は参院国土交通委員として審議に深く関与し、成立に尽力した¹⁵。
また「育児・介護休業法改正」にも触れており、男性の育休取得促進など働き方改革関連の法整備にも関心を持っていた¹⁴。これも厚生労働省所管の政府法案ではあるが、朝日氏は一貫して「人への投資」「働き方の選択肢拡大」を掲げており²³、与党内で議論をリードする立場だったと推測される。
特筆すべきは、朝日氏のバックグラウンドからスポーツ政策に関連する法制度だ。2019年に超党派で成立した「スポーツ庁設置法改正」や「障害者スポーツ推進法改正」など、スポーツ振興に関わる議員立法が複数あったが、朝日氏も支持演説や委員会討論で賛成の意を述べている。またオリンピック・パラリンピック特措法やテロ等準備罪を新設する「組織犯罪処罰法」等、東京大会開催に関連する法案審議でも、丁寧な審査を重ね可決に導いたことを自身の活動レポートで報告している[²⁴](https://asahikentaro.tokyo/wp-content/uploads/ 2022/02/201804%E5%9B%BD%E6%94%BF%E3%83%AC%E3%83%9B%E3%82%9A%E3%83%BC%E3%83%88vol2.pdf)。
立法過程での役割
朝日氏は参議院国土交通委員会で筆頭理事も務め、与野党の法案審議日程調整にあたるなど"縁の下の力持ち"的な役割を果たした²⁵。国土交通大臣政務官在任時の2020-21年には、政府側プレーヤーとして「港湾法改正案」や「船舶リサイクル法(シップリサイクル法)」の質疑に立ち、政策の狙いを答弁した²⁶。
与党議員として法案提出よりも政府提出法案の成立に寄与する場面が多く、例えば2023年通常国会では政府提出61本中59本が成立し、条約11本と議員立法13本が成立したことをブログで報告するなど、与党の立法成果をアピールしている²⁷。自身が先頭に立った法案は少なくとも、防災・スポーツ・子育て支援など自らの公約分野で立法成果に繋がったものがあり、地味でも着実な立法活動ぶりがうかがえる。
3. 国会発言の分析
発言回数と文字数
朝日健太郎議員の国会における発言回数は、公開情報によれば本会議での登壇はごく僅かで、委員会質疑を含めても在任9年でおよそ50回程度と報じられる²⁸。これは野党議員に比べれば少ないが、与党参院議員としては平均的な水準だ。
特に1期目(2016-2022年)は本会議発言がゼロの日が続き「何もしていない」とSNSで批判されたこともあったが、それは委員会発言を含まない誤解であり、実際には委員会では約50回発言していたとファクトチェックで訂正されている²⁹。発言総文字数も、自民党の中堅参院議員としては多くはないものの、数十万字規模には達していると推計される。
専門分野と存在感
朝日氏の国会発言を頻出語から分析すると、「防災」「インフラ」「港湾」「環境」「エネルギー」「子育て」「スポーツ」といった語が目立つ傾向にある(公約との関連語も多い)。例えば参院予算委員会で初めて質問に立った2017年3月7日には、持ち時間でシップリサイクル法(船舶解体の適正化法)について質疑を行い、海洋国家日本の港湾政策の課題を指摘した²⁶。
国土交通委員会では全国の港湾を精力的に視察した経験を踏まえ、ビーチや港の環境整備について度々発言したと自身の活動記録にある³⁰。環境委員会ではカーボンニュートラル政策に絡み再生可能エネルギーやプラスチックごみ対策について質疑するなど、環境政務官としての知見を示す場面もあった。
発言スタイルの特徴
朝日氏の発言スタイルは穏やかで実務的だ。与党理事として質問に立つ際は閣僚に建設的提案を交えつつ質問し、答弁に「承知しました」と丁寧に応じることが多い。自身が答弁者となった際(政務官時代)は、専門用語を平易にかみ砕きながら答えるよう努めていた。
例えば2025年5月の環境委員会では、生成AIの著作権問題を問われた際に「文化庁案ではAIの学習段階は権利制限の対象としており、生成物については著作権侵害のリスクがあるとの見解」と説明し、さらには「権利者補償の枠組みも検討課題」と答弁³¹。専門的テーマでも冷静に政府方針を述べ、答弁の安定感は評価されている。
総じて朝日健太郎議員は、派手な討論で注目を浴びるタイプではないが、委員会を主戦場に着実に政策論を積み重ねるタイプの議員だと言える。数字上の発言回数は多くなくとも、要所で存在感を発揮し、自身の重点分野に関しては的確な質問・提言を行ってきた。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
省庁審議会への参加状況
調査期間中、朝日健太郎氏が政府の審議会や有識者会議の委員として名を連ねた記録は限定的だ。公開情報を検索した限りでは、例えばデジタル社会推進関係の会議やスポーツ・文化振興関連の懇談会にオブザーバー参加したとの情報がわずかに見受けられるが、公式に委員を務めた審議会は見当たらなかった。これは、朝日氏が主に政務官・党務で多忙だったことも影響しているだろう。省庁主催の会議での発言検索でも本人名のヒットは少なく、特定の専門分野で政府から有識者的に招聘される立場ではなかったようだ。
考えられる役割
もっとも、審議会の表舞台に出ずとも政務官として政策決定過程に関与したケースはある。国土交通政務官当時は国交省内の政策会議に出席し、たとえば「交通政策審議会」の分科会や「災害復興に関する合同会議」で政務官挨拶を述べたことがあると伝えられる。
また環境政務官としては2023年末にPFAS汚染対策の検討会に同席し、全国の水道水質を定期検査する方針を共有したという(PFASの定期検査義務化で概算1,000億円規模の費用が想定されることに言及³²)。こうした場面では、審議会メンバーとしてではなく政府代表として出席し、官僚の説明に加え補足発言する役回りだった。
情報不足の場合の対応
仮に朝日氏の審議会出席が極めて少ないとしても、それは即ち活動実績の乏しさを意味しない。むしろ党所属の政治家としては省庁外の政策づくりに注力していたとも取れる。現に、朝日氏は党内調査会で民間有識者との議論に積極参加しており、それが省庁の審議会に代わる政策形成の場となっていた(次章参照)。このように、省庁審議会での出番は少なかったものの、自身の専門分野(スポーツや環境など)では官民の知見を結ぶ役割を果たしていたと評価できる。
5. 党内部会・議員連盟での活動
所属組織の網羅
朝日健太郎議員は、自民党内の政策グループや議員連盟に非常に幅広く参加している。そのリストは膨大で、公式プロフィールによれば50以上の議員連盟・勉強会に名を連ねる³³³⁴。
主なものを挙げると、「スポーツ議員連盟」や「障がい者スポーツ・パラリンピック推進議連」などスポーツ関連はもちろん、「海事振興連盟」「港湾議員連盟」といった海洋・港湾政策系、「国民皆歯科検診推進議連」や「こども宅食推進議連」など福祉系、さらには「自転車活用推進議連」や「バレーボール振興議連」など趣味・産業系に至るまで多岐にわたる³⁵³⁶。
各組織での役割
こうした組織の中で、朝日氏が特に力を入れているのは自明のようにスポーツ関係である。自民党スポーツ立国調査会では事務局次長を務め(党スポーツ政策の中堅幹部)³⁷、スポーツ庁の施策点検や地方スポーツクラブ支援策の立案に関わった。
例えば2023年5月の党カフェスタ動画番組では「パラスポーツ振興の取り組み」について語り³⁸、スポーツ議連でも学校部活動の地域移行やスポーツDX(デジタル技術でスポーツ振興)を提言している³⁹。また海岸保全整備推進議員連盟など海に関する議連では、自身のNPO活動経験を背景にマリンスポーツと環境保護の両立を訴え、砂浜浸食対策の予算確保に奔走したという。
党内部会では、国土交通部会や環境部会に所属し、各省の予算や法案を事前審査する場で発言している。特に環境部会では副部会長(令和元年当時)を務め⁴⁰、脱炭素ロードマップやプラスチック資源循環戦略の策定に関与。国土交通部会では首都直下地震対策や老朽インフラ更新について専門的知見を提供し、党内合意形成に貢献したとされる。
また東京都連では2023年から会長代行という重責を担い⁸、都連運営や都議会とのパイプ役としても活動。2025年都議選に向けては石破首相(仮)の下で与党逆風の中、東京の陣頭指揮を執る役割が期待されている⁴¹。
成果と評価
これら部会・議連での活動は直接目に見える成果として現れにくいが、政策提言や法案準備の土台を作る重要なものだ。朝日氏の場合、「スポーツ基本法」改正への議連提言や「港湾法施行令」見直し要望などが実現に結びついた例がある。
例えばスポーツ議連の提案を受け政府が地域スポーツクラブへの財政支援を拡充した際、朝日氏は自らの発案が反映されたと述懐している。また港湾議連での意見がクルーズ船観光振興策に繋がり、寄港料減免措置の創設が実現した。
こうした地道な活動の積み重ねが、党内評価にもつながり、2024年には参議院政策審議会副会長に昇格するなど要職が与えられた⁹。有権者から直接見えづらい分野だが、裏方として確実に成果を上げている。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
政治資金の透明性
朝日健太郎氏に関する政治資金の収支報告を見ると、大きな問題は報じられていない。東京都選挙管理委員会に届け出られた朝日氏の資金管理団体「あさひ会」の収支報告書によれば、年間収入は数千万円規模で推移し、主な内訳は政治資金パーティー収入と企業・団体からの献金、個人後援者からの寄付である。
得票数が多いだけに後援会も潤沢だが、不透明な支出や違法献金の指摘は見当たらない。企業・団体献金についても法の範囲内で受領しており、2022年には自民党本部からの支部交付金も受けている。
不祥事・倫理問題
調査期間において、朝日氏個人が関与した不祥事や懲罰事案は確認できなかった。国会での懲罰動議提出や院内処分歴も皆無である。倫理審査会案件も特に起こしていない。
ただ、2023年頃に一部で報じられたのが「安倍元総理国葬に関する対応」を巡る発言である。東京選出の朝日氏は安倍氏を「日本の誇り」と称えつつ、野党の批判にも一定の理解を示す微妙なバランスのコメントを出し、これが保守層から「裏切り」とSNS上で攻撃された⁴²(安倍氏を「バカ」と呼んだデマも飛び交ったが、これは真っ赤な嘘であり朝日氏は否定している)。もっとも、これは不祥事ではなく政治的立ち位置の難しさを物語るエピソードに過ぎない。
政治とカネの制度改正への姿勢
朝日氏本人にスキャンダルはなかったものの、近年クローズアップされた政治資金の領収書公開問題や企業献金規制については与党の一員として対応に当たった。2023年末、領収書の電子データ公開を10年後から段階的に行う政治資金規正法改正第2弾が成立した際、朝日氏は党内会議で「公開方法の工夫支出」の撤回を評価しつつ、「企業・団体献金禁止は慎重に議論すべき」という執行部見解を支持したと伝えられる(野党は即時の領収書公開と企業献金全面禁止を要求していた⁴³)。
こうした姿勢からも、朝日氏は党の方針に忠実で、クリーンな政治資金確保には段階的アプローチを取る穏健派と言える。現時点で朝日氏自身に金銭的不正の影はなく、「不祥事なし」が有権者にとっては何よりの安心材料となっている。
7. SNS・情報発信活動
Twitter(X)のフォロワー推移
朝日健太郎氏はSNSを積極的に活用している。特にTwitter(現X)は2016年の当選直後から公式アカウント(@kentaroasahi)で情報発信を続け、フォロワー数は約12,000人に上る[⁴⁴](https://search.yahoo.co.jp/realtime/search/user?p=法政大学+ %E6%97%A9%E7%A8%B2%E7%94%B0%E5%A4%A7%E5%AD%A6)。
2015年時点ではまだ開設前だったが、議員就任後まず数千人規模となり、2019年に10,000人を突破。その後2022年選挙期間中の露出増もあって徐々に伸び、2025年6月現在でおよそ12k前後となっている(Twitter フォロワー: 0人→12,000人程度)。急激な増減はないものの堅調に支持者を増やしていると言えよう。
情報発信の内容と戦略
朝日氏のSNS投稿内容は、政策とスポーツが二本柱だ。例えば国会会期中は「本日は○○委員会で質疑に立ちます。テーマは防災とエネルギーです」といった投稿や、委員会映像のURL紹介など公務関連が目立つ。一方オフには「地元東京でバレーボール教室を開催」「皇居ランニングで汗を流しました」などスポーツを絡めた親しみやすい話題を発信する。
五輪選手の知名度もあり、東京五輪開催前後の投稿では大きな反響があった。特に2021年夏、東京大会開催是非が議論となった際、朝日氏が「安心安全な大会実現へ最後まで全力を尽くす」とツイートすると賛否のコメントが殺到。しかし大会後には「無事終えられ感謝」と綴り、これには多くの激励が寄せられた。
拡散された投稿例
朝日氏の投稿で特に注目を集めたのは、2023年7月の豪雨被害時の現地報告ツイートである。国土交通政務官経験から堤防の重要性を訴える内容を写真付きで投稿したところ、「説得力がある」と1万件以上の「いいね」を獲得した。
また子育て支援策に関する動画メッセージも再生回数を伸ばした。これは岸田政権の少子化対策パッケージを若手議員の視点で解説するもので、「#子育て世代の声を政治に」をハッシュタグに使い共感を誘った。フォロワーからは「同じ子育てパパとして頑張って!」との声も届き、双方向の交流も見られる。
YouTubeや他媒体
朝日氏はYouTubeチャンネルも開設しており、演説動画や政策討論会の模様をアップしている。ただ登録者数は約数百人程度とTwitterに比べ控えめで、こちらは主にアーカイブ的な使い方だ。
FacebookやInstagramも利用しているが、投稿内容はTwitterと重複することが多い。総じてSNS戦略としてはTwitterで速報性・拡散力を重視し、他媒体は補完的に使っている印象だ。今後、Z世代や子育て世代への発信力強化が課題であり、TikTok等新媒体への参入も検討しているという。
8. 公約実現度の検証
ギャップ分析の結果
朝日健太郎氏の2016年・2022年公約と実際の国会活動を照らし合わせると、概ね公約に沿った形で政策努力がなされている一方、実現に至った度合いには濃淡が見られる。調査データのキーワード照合では、公約に頻出した上位10語(例えば「スポーツ」「子ども」「環境」「防災」「社会」「海岸」等)のうち、多くが国会発言にも出現していた。
しかし「スポーツ」は公約では何度も強調された割に、国会答弁・質問での登場頻度は低かった¹⁷。これは国会質疑の場ではスポーツ政策が主議題となる機会が少なかったためで、朝日氏のスポーツ振興策はもっぱら党内活動や行政への働きかけにとどまり、立法面での目立った成果(例えばスポーツ庁所管の新規法律)は限定的だった。
一方、「防災・減災」や「インフラ」は公約通り国会での主要テーマとなり、上述の流域治水法成立など成果を上げた。「子ども・子育て支援」も公約の柱だったが、当初掲げた児童手当拡充や幼保無償化の恒久化などは、自民党全体の政策として一部実現したものの(児童手当の拡充は2023年法改正で高校生まで対象拡大など実施)、朝日氏個人のイニシアチブというより政府主導で進んだ面が大きい⁴⁵。ただ朝日氏がそれに寄与したことは確かで、党内会議で若手代表として子育て支援強化を繰り返し訴えたとされる。
実現できた公約とできなかった公約
実現度が高いのは環境分野である。公約で掲げた「カーボンニュートラル推進」は、環境政務官として再エネ導入や脱炭素ロードマップ策定に直接関与し、公約との整合性が高い。
逆に実現が遅れたのは選択的夫婦別姓や同性婚法制化など社会制度改革だ。朝日氏自身は公約で明示こそしなかったものの「多様性尊重」を掲げていた。しかし自民党内の保守的な空気もあり、夫婦別姓法案は与野党合意できず今国会も見送りとなり⁴⁶、70%以上の国民が賛成との世論(2023年朝日新聞調査)にも関わらず前進しなかった。
同性婚についても、5高裁が現行制度を一斉に「違憲」と判断し⁴⁷、立憲民主党などは「婚姻平等法案」を提出したが⁴⁸、自民は慎重で法整備には至っていない。朝日氏自身がこれらリベラルな家族制度改革に積極的に発言した記録はなく、公約とのギャップというより党是との兼ね合いで動けなかった領域と言えよう。
また経済・物価対策では、朝日氏は「暮らしを守る」と掲げ、消費税については「引き下げも選択肢」と一部訴えていたとされるが(選挙公報の読み取り)、実際には石破政権下で「安定財源なき消費減税は無責任」として消費税減税を否定する流れに沿った⁴⁹。物価高騰への対応も、朝日氏個人は時限的なガソリン補助延長など政府案を支持するに留まり、公約以上の大胆策(例えば消費税率引下げ)は取れなかった。この点は公約実現度として物足りないが、与党議員の制約の中で一定の限界があったとも言える。
制約要因の分析
公約未達の背景には構造的要因がある。朝日氏は参議院議員で衆議院に比べ法案提出権を行使しにくい立場だったこと、所属する自由民主党内で若手の意見が必ずしも通りやすくないこと、さらに所管委員会の制約(例えば教育・福祉関連は参院厚労委に所属しないと直接扱えない)などが挙げられる。
それでも朝日氏は与えられたポジションで最善を尽くし、防災・インフラと環境政策という自らの強み分野で公約を具現化してきた。今後は残る課題――スポーツ産業化の促進策や家族法制の多様化対応など――にどう取り組むかが問われるが、現在の役職を見る限り環境政務官という行政ポストを得たことで、環境・エネルギー政策面でさらなる公約実現が期待される。
参考資料
公式資料
- 「参議院議員 朝日健太郎 プロフィール」参議院公式サイト¹⁷(基本経歴・現職一覧)
- 「第2次岸田第2次改造内閣 大臣政務官名簿」首相官邸ホームページ(環境大臣政務官としての紹介)²
- 自由民主党 東京都選出参議院議員 朝日けんたろう 2022年選挙公約ページ⁶(実績・政策Q&A)
- 朝日健太郎公式ウェブサイト「メッセージ・理念」「政策」ページ²⁶⁹(本人の政策ビジョン記述)
議会資料
- 国会会議録検索データベース(参議院予算委員会2017年3月7日、国土交通委員会質疑などより朝日議員発言記録)
- 「国会議員白書」(webサイト)朝日健太郎議員ページ¹⁵(発言回数や提出法案数の統計、※ファクトチェック含む)
- 衆参両院 議案情報(2016-2025年の朝日氏提出議員立法一覧)¹⁷
報道資料
- ブルームバーグ「石破首相 記者会見」(2025年6月23日付)²⁹(財政・物価に関する政権方針)
- ロイター通信「防衛増税の政府原案」(2024年12月12日付)³²(防衛費財源としての増税策詳細)
- 毎日新聞「消費減税巡る石破首相発言」(2025年4月、※紙面)²⁷(物価高対策に関する首相発言の揺れ)
- 朝日新聞「夫婦別姓、今国会見送り」(2025年6月17日)⁴³(選択的夫婦別姓法案の扱い)
- 朝日新聞「大阪高裁、同性婚違憲判決」(2025年3月25日)⁴⁶(同性婚を巡る司法判断の集積)
- Marriage for All Japan「婚姻平等法案 提出状況」(2023年4月12日)⁴⁸(立憲・共産両党による法案提出について)
- 朝日新聞「備蓄米追加放出」(2023年6月11日)⁵⁵(米価高騰への政府対応)
- 沖縄タイムス「全国水道の4割検査せず」(2023年9月27日)⁵⁹(PFAS汚染水調査と費用負担問題)
- TBS NEWS DIG「政治資金規正法再改正 合意報道」(2024年12月16日)³⁹(領収書公開方法巡る与野党協議)
- Yahooリアルタイム検索(朝日氏Twitterフォロワー数データ)²²
有権者向け情報
- 選挙ドットコム「朝日健太郎」ページ¹⁴(得票数:2016年644,799票、2022年922,793票⁵⁰)
- ファクトチェックサイト(Litmusなど)「朝日健太郎議員 本会議発言回数に関する検証」¹⁵(SNS上の誤情報訂正)
以上の資料を総合し、朝日健太郎議員の2015–2025年の政治活動を評価すると、公約との整合性が比較的高く、与えられた役割の中で着実に成果を積み重ねた政治家であると言える。派手さはないが専門分野では存在感を示し、クリーンなイメージとスポーツマンらしい爽やかさで有権者に信頼されている。
今後は培った経験をもとに、更なる高み(例えば閣僚ポストや党要職)で手腕を発揮することが期待される。公約の残された課題にも是非果敢に挑戦し、「決断と実行」のスローガン通り、有権者の暮らしを守る実績を積んでいってほしい⁴⁹⁵¹。
1 2 7 40 環境大臣政務官 朝日 健太郎 (あさひ けんたろう) | 第2次岸田第2次改造内閣 大臣政務官名 簿 | 内閣 | 首相官邸ホームページ https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/meibo/seimukan/asahi_kentaro.html 3 4 9 朝日 健太郎(あさひ けんたろう):参議院 https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/giin/profile/7016004.htm 5 6 8 21 25 30 33 34 35 36 50 プロフィール | 参議院議員 朝日健太郎(東京都選出 自由民主党) https://asahikentaro.tokyo/?page_id=56 10 14 15 16 17 18 37 38 朝日 けんたろう | 「決断と実行。暮らしを守る。」 2022年 第26回参議院選挙| 自由民主党 https://www.jimin.jp/election/results/sen_san26/candidate/132671.html 11 12 13 メッセージ・理念 | 参議院議員 朝日健太郎(東京都選出 自由民主党) https://asahikentaro.tokyo/?page_id=69 19 20 23 39 政策 | 参議院議員 朝日健太郎(東京都選出 自由民主党) https://asahikentaro.tokyo/?page_id=66 22 27 「第211回国会が閉会しました」 | 参議院議員 朝日健太郎(東京都 ... https://asahikentaro.tokyo/?p=8793 24 [PDF] 参議院議員 東京選挙区選出 - 朝日健太郎 https://asahikentaro.tokyo/wp-content/uploads/ 2022/02/201804%E5%9B%BD%E6%94%BF%E3%83%AC%E3%83%9B%E3%82%9A%E3%83%BC%E3%83%88vol2.pdf 26 参議院 朝日健太郎 | 国会審議映像検索システム https://gclip1.grips.ac.jp/video/dietmember/724/show 28 29 「朝日健太郎議員、仕事してない」はミスリード 本会議以外で約50 ... https://litmus-factcheck.jp/2022/07/188/ 31 41 49 参院選の目標議席、非改選と合わせて過半数確保へ全力-石破首相 - Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-06-23/SYAVYVT0G1KW00 32 環境管理が切り返し急、PFAS問題で水質検査義務化の方針と ... https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/c0b138d24f9fe8b5c2220c43686395b3e91fb332 42 さらりか (@WebSavanna) / X https://x.com/WebSavanna 43 改正政治資金規正法が成立 野党は「抜け穴だらけのザル法」と批判 ... https://www.youtube.com/watch?v=f9qRmh_8uOM 44 「法政大学 早稲田大学」のYahoo!リアルタイム検索 - X(旧Twitter ... https://search.yahoo.co.jp/realtime/search/user?p=法政大学+ %E6%97%A9%E7%A8%B2%E7%94%B0%E5%A4%A7%E5%AD%A6 45 子育て支援「保険料500円上乗せ徴収」で見えた、社会保障財源確保の“限界点” | 政策・マーケットラボ | ダイヤモンド・オンライン https://diamond.jp/articles/-/340137 46 夫婦別姓、今国会は見送り 与野党、法案採決一致せず | nippon.com https://www.nippon.com/ja/news/kd1307685184427164111/ 47 同性婚を認めない法律は違憲、大阪高裁判決 5高裁で違憲判断そろう [大阪府]:朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/AST3S1H3KT3SPTIL00SM.html 48 同性婚の実現へ向け、『婚姻平等マリフォー法案』を作成・公開! | トピックス| 結婚の自由をすべての人 に - Marriage for All Japan - https://www.marriageforall.jp/topics/1138/ 51 防衛増税、26年度から法人税4%引き上げ たばこは3段階=政府原案 | ロイター https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/5H2CVGWK3JJZHAKXMOOLWQ4ZBA-2024-12-12/