てらた しずか
寺田静議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
寺田静(てらた・しずか)議員は1975年生まれ、秋田県横手市出身の政治家で、参議院議員(秋田県選挙区、当選1回)です¹²。
夫は寺田学衆議院議員で、義父は寺田典城・元秋田県知事(元参議院議員)という政治一家に連なります³。
早稲田大学人間科学部を卒業後、民間研究所勤務や国会議員秘書などを経て、2019年の第25回参院選に野党統一候補(無所属)として秋田から立候補しました。地元の重要課題であったイージス・アショア配備反対を前面に掲げて、自民党現職を破り初当選しました⁴⁵。
当選後は会派に属さない無所属議員として活動し、環境委員会や農林水産委員会に所属して地方や社会課題の代弁者となってきました⁶。
本レポートでは、2015年から2025年6月までの活動を振り返り、寺田議員の政策・立法活動の全体像をまとめます。この期間は彼女が国政進出を決意し準備を進めた時期から、初当選後の6年間にわたる議員活動、そして2025年夏の参院選に向けた動きを含んでいます⁷。
有権者が寺田議員の歩みと実績を深く理解し評価できるよう、客観的な事実に基づき網羅的に記録しました。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
基本理念と公約の背景
2019年夏の参議院選挙で寺田静氏が掲げた公約は、「誰もが安心して暮らせる社会を秋田から実現する」という思いに貫かれていました⁸。
選挙公報や政策集からは、子育て中の母親としての視点や、地方で暮らす生活者の目線が色濃く反映されています。スローガンとして彼女は「孤絶する1人、苦しむ1家族のために、99人が配慮する社会をつくりたい」と訴え⁹、弱い立場の人に寄り添う政治を前面に出しました。
また当時秋田で大きな論点だった陸上イージス・アショア配備計画には明確に反対を示し、地元住民の不安に応える姿勢を示しました⁴。結果、保守地盤の秋田でありながら無党派層の支持を広げ、50.46%の得票で当選を果たしています¹⁰¹¹。
具体的政策内容
公約の内容を詳しく見ると、政策の柱は幅広い世代と分野に及んでいました。
物価高対策・消費税では、ガソリン税の二重課税廃止や生活必需品の消費税減税を掲げ、可処分所得を増やすことで家計を支援すると約束しました¹²。
年金・介護・医療では、持続可能な年金制度への改革や介護・医療従事者の待遇改善による安心の確保をうたい¹³、地域経済では中小企業の事業承継支援や社会保険料負担の軽減など地域企業の活性化策を提示しました¹⁴。
農林水産業については「国の基」と位置づけ、担い手確保と所得保障によって農山漁村を守るとし¹⁵、子育てでは経済的・人的サポートの大幅増強と教育無償化で「社会全体で子どもを支える」姿勢を明確にしました¹⁶。
さらに自身の経験に根差した不登校児支援や多様な教育機会の保障¹⁷、障がい者福祉の充実¹⁸、社会的養護(里親支援など)の強化¹⁹、防災・インフラ老朽化対策²⁰、気候変動対策や再生可能エネルギー推進²¹、そしてジェンダー平等・人権の確立(賃金格差是正や育児・介護の男女共同参画)²²まで、多岐にわたる政策項目を網羅していました。
憲法に関しては改正には慎重で、「9条を変える必要はない」と公約し²³、リベラルな安全保障観も示していました。
公約の特徴分析
公約文書中で特に頻出したキーワードを見ると、「支援」「子ども」「秋田」「消費税」「中小企業」「農業」「教育」「介護」「環境」「女性」といった言葉が上位に並びます。これらから、寺田議員の政治姿勢が、家計や地方を直撃する課題への手当て(物価高・税負担の緩和、中小企業支援)、社会的に弱い立場に置かれがちな人々への包摂(子ども、障がい者、女性、高齢者の支援)に重点を置いていることが読み取れます²⁴²⁵。
また「秋田」という言葉が何度も出てくるように、中央から見落とされがちな地方の現実に光を当てる決意もうかがえます。こうした公約の背景には、自身も子育てや家族の介護を経験し、地方で暮らしてきた中で感じた「普通の人の声が政治に反映されていない」という問題意識がありました²⁶²⁷。
寺田氏は当選直後、「授かった6年間の任期と立場を、放っておけば弱い立場に追い込まれる人たちのために懸命に働きたい」と初心を述べています²⁸。選挙公報から見えるこの初心は、その後の議員活動の指針となり、ブレることなく貫かれていくことになります。
2. 法案提出履歴と立法活動
立法への取り組みの特徴
無所属議員の寺田静氏は、与党のバックアップがない中でも積極的に立法プロセスに関与してきました。ただし公的な「提出者」として名を連ねた議員立法の数は多くありません。調査の結果、寺田議員が単独または主要提出者となった法案は0件で、共同提出者として関与した法案が数件確認できるに留まります(この点は無所属ゆえに法案提出の主導権を握りにくい事情を反映しています)。
しかし、彼女は超党派の立法チームに加わり、重要な法律の成立に裏方として貢献しました。
医療的ケア児支援法の成立
その代表例が「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の制定です。重い障がいなどで医療的ケアを必要とする子どもと家族を支援するこの法律は、超党派議連「永田町子ども未来会議」においてゼロから法案策定が進められ、寺田議員も自民党の野田聖子氏らと共に中心メンバーとして参加しました²⁹³⁰。
2021年6月、同法案は参議院厚生労働委員会の発議という形で全会一致成立し³¹、寺田議員は自身のブログで「長年の懸案だった支援法成立が最も嬉しかった成果」と喜びを綴っています³²。
日本版DBS法への貢献
また、彼女は当選当初から子どもを性犯罪から守る日本版DBS法(性加害歴のある者の児童関連職就業制限)にも強い問題意識を持ち、国会質問や民間団体との連携を通じて必要性を訴え続けました³³。
その結果、政府提出の「特定児童等に対する教育的配慮に関する法律等の一部改正」(通称:日本版DBS法)が2023年に全会一致で成立するまでに至り、寺田氏は「子どもの性被害を防ぐため日本が大きな一歩を踏み出した」と胸いっぱいの思いを語りました³³。
このように表舞台に名前は出なくとも、政策実現の陰で粘り強く動き、法改正に結びつけたケースが複数あります。
修正協議・附帯決議への参加
立法プロセスへの関与は法案提出だけではありません。寺田議員は無所属ながら重要法案の修正協議や附帯決議の提案にも加わっています。
例えば2024年の「食料・農業・農村基本法」改正では、政府案に対し与野党が合同で13項目に及ぶ附帯決議を付しましたが、その共同提案者に各党とともに寺田静議員(各派に属しない議員)の名がしっかり記されています³⁴。
附帯決議文には気候変動や人口減少で弱体化する国内農業への危機感が盛り込まれ、地方の実情を反映した内容となりました³⁴。寺田氏は委員会質疑などを通じ、このような補強策に積極的に関わり、無所属という立場を逆手にとって柔軟に他党とも協調して修正案づくりに参加しています³⁵³⁶。
採決行動の特徴
一方で、国会での採決行動を見ると、寺田議員は一貫して野党系統の立場から政府提出法案に向き合ってきました。与野党対立型の法案――例えば2023年の出入国管理法改正や、安全保障関連法制の改定など――には野党側と足並みを揃えて反対票を投じています³⁵。
防衛費増額やマイナンバー制度など近年の争点法案でも、政府与党への白紙委任はせず、慎重審議を求める姿勢が顕著でした。その一方で、党派を超えた議員立法や予算措置が必要な施策には賛成する柔軟さも持ち合わせています³⁵。
前述の医療的ケア児支援法や日本版DBS法の成立時には超党派合意に加わり、自らが推進した政策については与野党の枠を超えて前向きな一票を投じました³⁷。総じて寺田議員は「是々非々」の立場を貫き、政策本位で判断していると評価できます。
象徴的な首班指名選挙での一票
国政上特筆すべき彼女の行動の一つが、2020年9月の総理大臣指名選挙で示した異例の一票です。安倍首相退陣に伴う首班指名で、寺田議員は当時45歳で初当選1年目の野党議員である伊藤孝恵氏(国民民主党)に投票しました³⁸。
無所属議員が自会派(無所属の会)以外の名をあえて書く異例の行動に、周囲から驚きのヤジも飛びましたが³⁸、彼女は直後のブログで「女性がもっと意思決定の場に増えれば社会は変わる」と信念を語り、この一票に込めた思いを説明しました³⁹。
この行動は記録にも残り、寺田氏の政治スタンスを象徴するエピソードとなっています。「たとえ一人でも、信じる方向に意思表示をする」という姿勢は、その後も法案ごとの投票行動に一貫して表れています。
3. 国会発言の分析
発言頻度と活動量
寺田静議員は初当選以来、国会審議で積極的に発言し続けてきました。その国会発言回数は通算で100回以上にのぼり(本会議および委員会での質疑回数。詳細データ確認中)、発言の総文字数(議事録上の発言量)は数十万字規模と推計されます。
これは1期6年間の新人議員としては極めて多い部類で、年平均の質疑回数は当選同期の平均を大きく上回りました⁴⁰。実際、2025年の通常国会ではわずか1週間のうちに3度も委員会で質問に立つというハイペースぶりで、同僚議員やメディアを驚かせました⁴⁰。
寺田氏自身も毎週のように国会質問に臨んだ内容をブログで発信しており、当選から6年で約300本ものブログ記事を書き綴っています⁴¹。これほど精力的に発言機会を確保し続けた背景には、「自分を押し上げてくれた有権者との約束を果たすため、一回一回の質疑を大事にしたい」という信念があるようです。
農業・食料問題への集中的取り組み
発言内容の特徴を見ると、テーマは農業・食料問題から社会保障、教育、環境、安全保障まで多岐にわたります⁴²。しかし一貫しているのは、「秋田をはじめ地方の現場の声」を国政にもたらすという視点です⁶。
たとえば農業・食料問題では、コメ価格の高騰や下落に伴う農家支援策、米の政府備蓄米放出の是非など「令和の米騒動」と称された論点を集中的に取り上げました⁴³。
2024年の農林水産委員会では岸田総理に対し「生産基盤の立て直し」「担い手不足への対策」と直言し、政府の農政を抜本的に見直すよう迫りました⁴⁴。また2025年には、米価高騰への対応策として政府が備蓄米の追加放出を決めた際に「統計と現場感覚がかけ離れていては政策を誤る」と指摘し、新任の農水大臣に統計精度の向上を訴えています⁴⁵。
米価低迷期に農家の声を十分反映しなかった政府対応も批判し、「生産者も消費者も納得できる米政策への転換」を強く求めました⁴⁶。
環境・農村課題への鋭い切り込み
環境・農村の課題にも鋭く切り込んでいます。地元秋田で近年深刻化しているクマ被害については、2023年の農水委員会で「ツキノワグマを国の指定管理鳥獣に加え、駆除や被害防止に国の支援を」と訴えました⁴⁷。
当初消極的だった環境省から「全国一律でなくとも地域指定は可能」との答弁を引き出し、国による支援拡充に一歩前進させています⁴⁷。
また秋田の県魚ハタハタの激減問題では、2025年4月の農水委員会で「1952年以降で最少の年間約17トンしか漁獲できない危機的状況」と地元の窮状を示し、国による広域的な資源調査と漁業者支援策を提案しました⁴⁷。
彼女は「冬の味覚ハタハタが過去の思い出にならぬように」と地元漁師の思いを代弁し、現行制度(漁業共済)では救えない漁師への直接支援の必要性も訴えました⁴⁸。このように地域経済や環境に根ざしたテーマで、中央省庁の政策を動かす発言を重ねています。
社会・教育・福祉分野での包摂的視点
社会・教育・福祉の分野では、「誰一人取り残さない」視点から子どもや弱者を守る論戦を展開しました。前述の日本版DBS法関連の質疑では「制度の対象外となる類似行為や、子どもだけでなく高齢者・障がい者への性的加害にも対策を広げるべき」と問題提起し、包括的な性暴力防止策の必要性を訴えています³³。
さらに医療的ケア児支援についての議論でも、「18歳を超えた元医療的ケア児(医療的ケア者)への支援が手薄だ」と指摘し、法律の今後の拡充課題に言及しました(この点は支援法成立時の付帯決議や超党派勉強会でも議論されています)。
自身が不登校を経験したこともあり、不登校児支援や教育の多様化もライフワークです。フリースクールやオンライン教育の支援策について度々質問し、文部科学省に対して「一人ひとりの子どもを受け止める学校づくり」を求めました。こうした発言の背景には、寺田氏が「自分のように生きづらさを感じた子どもを救いたい」という個人的原体験があると報じられています⁴⁹。
質疑スタイルの特徴
発言スタイルの特徴としては、緻密な事前調査に基づくデータ提示と現場の声の引用が挙げられます。寺田議員は質問に立つ前に必ず地元や関係者にヒアリングを行い、統計や当事者の声を材料にします。
たとえば前述のハタハタ漁業の質疑では、過去最少記録という統計データを示した上で「漁師さんたちはこのままでは冬の味覚が消えると嘆いている」と情景を伝え、官僚や大臣に問題の深刻さを実感させました。
また質問の切り口は具体的で、単なる批判に終始しない点も特徴です。改善策や海外事例を提示しつつ建設的に提案するため、与党側からも耳を傾けられる場面がしばしばあります。実際、政府参考人として出席した官僚から「非常に貴重なご指摘をいただいた」という答弁を引き出すこともあり、野党議員として政策修正を引き寄せる巧みさがうかがえます。
以上のように寺田静議員は国会質疑を「政策実現の舞台」と位置づけ、地方と国政をつなぐ架け橋としてフル回転してきました。その存在感は与野党の枚を超えて認知されつつあり、メディアからは「政策通の無所属議員」として注目される場面も増えています⁵⁰。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
調査の範囲では、寺田静議員が政府の公式な審議会や有識者会議の委員を務めた記録は確認できません。多くの場合、政府の審議会メンバーは学識者や与党議員から選ばれるため、無所属野党の寺田氏が任命される機会はありませんでした。したがって、本期間中に省庁の審議会へ出席した回数は0回です。
ただし、国会の委員会で政府の有識者会議の動きを議論に取り上げることはありました。例えば農林中金(農林中央金庫)の巨額損失問題に関連して、農水省の有識者会議報告を引き合いに制度見直しを質す場面があり⁵¹、政府内議論にも通じた質問を行っています。
加えて、議員側が主催する勉強会や超党派プロジェクトチームには積極的に参加しています。前述の「永田町子ども未来会議」もその一つで、これは有志議員と関係省庁が集まり立法策を検討する場でした⁵²。寺田氏はそうした場で当事者や専門家のヒアリングに同席し、得られた知見を立法や質疑に反映させています。
公的な審議会メンバーではなくとも、議員という立場から政策形成のプロセスに民間の声を繋ぐ役割を果たしていたと言えるでしょう。
5. 党内部会・議員連盟での活動
無所属ゆえの超党派ネットワーク
寺田静議員は無所属(会派にも所属せず)という立場上、特定政党の政策部会には属していません。しかし、超党派の議員連盟(議連)には幅広く参加しており、そこで積極的に活動しています。
公式プロフィールによれば、寺田氏が所属する議連は以下の通りです⁵³:
- 児童虐待から子どもを守る議員の会 – 子どもの虐待防止策を議論する議連⁵⁴
- インクルーシブ雇用議連 – 障がい者や高齢者の雇用促進(inclusive employment)を目指す議連
- LGBT議連 – 性的マイノリティの権利擁護や同性婚の法制化などを検討する超党派議連
- 自殺対策推進議連 – 自殺防止対策の充実を図る議連
- 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)議連 – 難民支援や人道外交について議論する議連
- フリースクール推進議連 – 不登校支援や多様な教育機会の充実を目指す議連⁵⁵
- ママパパ議連 – 子育て世代(母親・父親)の支援策を協議する議連⁵⁶
- 動物愛護議連 – 動物愛護やペットの殺処分ゼロを目指す議連⁵⁶
- その他、人権外交を考える議連や対中政策議連などにも参加(資料による)⁵⁷
具体的な議連活動
これらの議連では、それぞれのテーマに関する情報共有や政策提言が行われ、寺田議員も精力的に活動しました。
例えばフリースクール議連では、不登校の子が学べる場の制度化について法整備を議論し、学校教育法の改正提言に関わりました⁵⁸。動物愛護議連では「犬猫の殺処分ゼロ」を目標に掲げ、殺処分削減のための法規制強化やシェルター支援について意見交換しています⁵⁹。
寺田氏自身、委員会質問でアニマルウェルフェア(家畜福祉)の観点から畜産政策を問いただす際に、この議連で得た知見を活用したと語っています⁶⁰。
また「人権外交を超党派で考える議員連盟」にも名を連ね、難民支援やミャンマー情勢など国際人権問題に関する提言を超党派で取りまとめました⁶¹。
無所属ゆえ党内役職こそ持ちませんが、その分政党の枠にとらわれず幅広い議連に参加し、「政策横断型」のネットワークを築いているのが特徴です。寺田氏は「無所属だからこそ色々な党の議員と交流できる」と語っており⁶²、議連活動を通じて得た知見や人脈を国会質疑や政策実現に役立てています。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
クリーンな政治姿勢
寺田静議員に関して、2015~2025年の間で特筆すべき不祥事や懲罰事案は確認されていません。国会での失言や政治倫理問題、秘書給与スキャンダル等にも彼女の名前は挙がっておらず、クリーンな政治姿勢を貫いてきたと言えます。衆参両院の懲罰委員会や倫理審査会で寺田氏が議題となった記録もありません(不祥事記録件数: 0件)。
政治資金の透明性
政治資金の面でも、大きな問題は報じられていません。寺田氏は無所属議員のため政党交付金は直接受け取っていませんが、自身の後援会組織「しずか後援会」を通じて政治資金を管理しています。
秋田県選挙管理委員会の公開資料によれば、初当選した2019年のしずか後援会の年間収入総額は約2,840万円、支出総額は約2,729万円でした⁶³。
この年は選挙があったため収支規模が大きく、収入の大半(約2,840万円のほぼ全額)は後援会への寄付や資金集めパーティー収入となっています⁶³。特に立憲民主党や国民民主党など支援した政党・団体からの資金援助も一部含まれており、報道によれば2019年に立憲民主党本部から1,800万円が寄附されていたことが指摘されています⁶⁴。
支出の主な内訳は選挙運動や後援会活動に係る経費で、経常経費が約593万円、政治活動費が約2,135万円となっています⁶³。これは選挙期間中の広報・人件費や集会費などに充てられたものとみられます。
翌年度以降は選挙がなかったこともあり収支規模は縮小し、年間収入が数百万円規模で推移していますが、いずれも収入支出は適正に報告されており、収支報告書の監査でも調が指摘されていません。
総じて、寺田静議員のこの期間の政治資金面は透明性が保たれ、クリーンな運用がなされてきました。地元有権者への説明会でも資金の使途を倫罂に報告している様子が彼女のブログ等から伺えます。不正やスキャンダルが皆無であることは、有権者からの信頼感にもつながっており、寺田氏のクリーンなイメージを支える一因となっています。
7. SNS・情報発信活動
ブログを中心とした情報発信
寺田静議員は国政での活動ぶりや自身の政策観を、有権者に直接伝える情報発信にも力を入れてきました。その中心が公式ウェブサイトのブログとSNS(X〈旧Twitter〉やFacebook、Instagram、YouTube)です。
公式ブログは2019年の初当選直後から毎週コンスタントに更新されており、6年間で約300本もの記事が投稿されました⁴¹。記事の内容は国会質疑の報告や法案解説、地元活動の様子、さらにプライベートな思いまで多岐にわたります。
たとえば農林水産委員会での質疑があった週はその詳細と自身の所感を必ず記し、読者に国会の中身を伝えてきました。また「しずかと語る会」と題した対話集会を各地で開催し、その報告も掲載しています。寺田氏はブログ執筆について「週報」のような位置づけで臨んでおり、読者との対話を重視してコメント欄の意見にも目を通してきたようです。
SNSでの双方向コミュニケーション
SNSでは特にX(旧Twitter)を活用しました。寺田氏のTwitterアカウント(@teratashizuka)のフォロワー数は当初ほぼゼロからスタートしましたが、2025年6月現在で約5,100人に達しています⁶⁵。任期中ずっと地道に発信を続けた結果、徐々に支持者や関心層を増やしてきました。
投稿内容は国会審議中の気づきや、他議員の発言への所感、自身のメディア出演告知など多彩です⁶⁶。特筆すべきは、フォロワーとのインタラクションを大事にしている点です。時折Twitter上で寄せられた質問に直接回答する「フォロワーとのQ&A」を実施し⁶⁶、政策についての疑問に140字で羽寧に答える試みも行いました。SNS上で批判的な意見に対しても真摯に説明する姿勢が見られ、ネット上のコミュニケーションでも誠実さを発揮しています。
FacebookやInstagramも活用していますが、こちらは主に地元向けの情報発信に使われました。Facebookでは地元秋田での活動写真や家族とのエピソードなども交え、よりパーソナルな面を見せています。Instagramでは「#寺田静と語る会」などハッシュタグを使ってイベント告知を行い、子育て世代にリーチする工夫も見られました⁶⁷。インスタのフォロワーから寄せられたコメントに返信するなど、双方向の発信にも努めています。
YouTubeでの動顙発信の本格化
近年力を入れているのがYouTubeです。2023年頃から動画でメッセージを伝える必要性を感じ、自身のYouTubeチャンネル「てらたしずかチャンネル」を開設しました。2025年に入り、参院選を見据えて動画コンテンツを本格化させ、自己紹介動画や政策解説シリーズを投稿しています⁶⁸。
ただし登録者数はまだ700人程度(2025年6月時点)に留まっており⁶⁹、選挙本番でYouTubeライブ配信を行うには1,000人の登録者が必要なため、「あと21日で目標1,000人です。登録よろしくお願いします」とSNSや集会で呼びかけを行っていました⁶⁹。このようにデジタル発信にも積極的に取り組み、特に若い世代や子育て世代との接点を増やす努力を重ねています。
Noteでの長文発信
さらに寺田氏は文章だけでなく、Note(ノート)というプラットフォームでも記事を公開しています⁷⁰。ブログでは書ききれない長文の政策論や選挙への想いを綴る場としてNoteを活用し、2021年には「今後について」と題した記事で夫・寺田学氏への言及を交え自身の政治観や決意を述べました⁷⁰。
このようにあらゆる手段で情報発信を行う姿勢は、有権者との距離を縮め信頼関係を築くのに大いに役立っています。地元紙の記者は「寺田さんの発信力と共感力は抜群で、支持層から厚い信頼を得ている」と評しており⁷¹、全国的にも注目される存在となりつつあります。
SNS指標の成長
SNS指標の推移を見ると、2019年にはTwitterフォロワー数がゼロに等しかったものが2025年には5千人規模に増加し、YouTube登録者もゼロから700人超へ伸びました(Twitterフォロワー: 0人 → 約5,100人、YouTube登録者: 0人 → 約700人)⁶⁵⁶⁹。
これは決して爆発的な数字ではありませんが、一朝一夕では得られない「信頼の積み重ね」の証とも言えます。寺田議員の地道な情報発信は、有権者が政治にアクセスするハードルを下げ、政治参加を促す好循環を生んでいるようです。
8. 公約実現度の検証
最後に、公約の実現度を検証します。2019年の当選時に掲げたマニフェストの主要項目と、2025年までの成果や動きを照らし合わせると、実現できたものと道半ばのものが混在しています。
(1) 税制・物価対策
消費税の減税やガソリン税二重課税の廃止という公約については、残念ながら実現には至っていません。石油価格高騰時にガソリン税のトリガー条項凍結解除論議はありましたが結局実施されず、消費税も軽減税率こそ導入済みでしたが税率そのものの引下げは行われませんでした(2025年時点でも政府・与党は「消費税率引き下げは考えていない」と明言しています⁷²)。
寺田議員自身は物価高騰下で「弱者への時限的減税」を主張しましたが、野党の立場では決定権はなく、実現は次期政権以降の課題に持ち越されています。一方、中小企業支援や賃上げ支援策については、コロナ禍での給付金や税制優遇措置など政府が一定の対応を取りました。寺田氏はそれらを評価しつつも「恒久的な減税パッケージが必要」と訴えており、引き続き課題として取り組んでいます¹²¹⁴。
(2) 年金・医療・介護
年金制度改革や介護職員の待遇改善は長期的課題であり、この6年間で抜本改革は実現していません。年金についてはマクロ経済スライドの見直し議論が始まった段階で、寺田議員も委員会で「持続可能で安心できる制度へ早急な改革を」と迫りましたが¹³、具体的な制度改正は今後に先送りされています。
介護・医療分野では、介護報酬や診療報酬のプラス改定が一部行われましたが現場の待遇改善にはまだ道半ばです。ただ、寺田氏が共同提案者となった医療的ケア児支援法(2021年成立)は医療・福祉分野で大きな一歩でした。この法律により医療的ケア児支援の自治体責務が明記され、支援体制整備が進みつつあります³²。彼女が掲げた「誰もが安心して年を重ねられる社会」に向け、制度面の土台作りに寄与した成果と言えます。
(3) 地域経済活性化
中小企業の事業承継支援や社会保険料負担軽減は、政府も中小企業基本法の改正や事業承継税制の拡充など対応しました。寺田議員の地元でも、後継者難の企業への専門家派遣や、新事業展開支援が行われています。
公約の「企業や商店が事業拡大に挑戦できる環境」は徐々に整備されつつあり、2020年以降の補正予算で持続化給付金や事業再構築補助金などが実施されたことも後押ししました¹⁴。寺田氏自身、地元商工会との意見交換を頻繁に行い、その声を国会質問で届けています。
例えば「地方銀行の融資姿勢」や「農林中金の地域投資」などを取り上げ、金融面から地域企業を支える方策も提案しました⁷³。全てが彼女の公約通りになったわけではありませんが、地方経済再生への問題提起を続けた意義は大きく、一定の前進を見ることができます。
(4) 農林水産業の再生
寺田議員が強誹した「農業は国の基」という理念は、この数年で国民的認識としても高まった感があります。コメ政策に関しては、公約で掲げた「農家の所得保障」には依然課題が残るものの、政府がコメ価格下落時に緊急支援金を支給するなど対策を講じる場面がありました。
2022年以降、飼料用米への助成拡充や、米の需要に応じた生産調整策などが打ち出され、寺田氏も委員会で「生産者の声をもっと反映すべき」と注文を付けています⁴⁵。
水産業ではハタハタを含む沿岸漁業の資源管理強化が国の施策に盛り込まれ始め、林業でも担い手育成策が講じられるようになりました。これらは公約の方向性と合致しており、寺田氏が繰り返し地方の実情を訴えた成果と言えるでしょう。
とはいえ農業就業者や耕地面積の減少に歯止めはかかっておらず³⁴、彼女が誽えた「担い手と地域を守る環境づくり」はまだ道半ばです。2024年の農業基本法改正時には、寺田氏も参加して「生産基盤の弱体化に危機感を持って対策を」と附帯決議に盛り込みましたが³⁴、実現には続的な政策深化が必要でしょう。
(5) 子育て支援・教育
公約で掲げた子どもを社会全体で支える施策については、この6年で一定の前進が見られました。まず教育費負担軽減では、高等教育の無償化が所得制限付きで実現し、幼児教育・保育の無償化も2019年にスタートしました。寺田氏の公約「教育の無償化」は段階的ではありますが方向性として実現に近づいています²⁴。
また2023年には児童手当の拡充が決定し、支給年齢の引き上げや所得制限撤廃が行われました(2024年10月施行)。寺田議員も「児童手当の拡充は少子化対策の柱」として賛成の立場から後押ししてきた事項で、公約が形になった一つの成果です⁷⁴。育休給付の充実などは引き続き課題ですが、「育児真っ最中の親の視点」を持つ国会議員として、寺田氏の主張が政策に反映されつつあります。
一方、不登校児支援や多様な教育機会の保障については、寺田議員自身が熱心に働きかけているものの、制度整備は緒についたばかりです。フリースクールへの支援拡大や、オンライン教育の公教育への組み込みといったテーマは、文科省でも議論が進みつつあり、2023年には不登校特例校に関する検討が始まりました。
寺田氏は「学校外の学びにも公的支援を広げるべき」と公約で謳い¹⁷、議連活動や質問主意書提出などで提言してきました。その声が少しずつ行政を動かし始めている点は、公約の方向性が正しかったことを示すでしょう。
(6) 福祉・社会保障
公約には障がい者福祉や医療的ケア児支援の充実、里親制度の推進などが掲げられました⁷⁵。このうち医療的ケア児支援については前述の通り法律成立という大きな成果が出ました。
障がい者の就労支援やバリアフリー推進についても、インクルーシブ雇用議連での提言が反映され、国の障害者雇用率引き上げや合理的配慮の拡充が図られています。里親委託の推進に関しては、児童福祉法改正で里親支援センターの強化が盛り込まれるなど、一部前進がありました⁷⁶。寺田氏が狭べての子どもが家庭的な環境で育つ機会を」と訴えたことが、地道に政策へ浸透しています。
(7) 環境問題
再生可能エネルギーの促進や动物愛護の推進といった公約も掲げていました⁷⁷。再エネに関しては、政府が2030年電源構成で再エネ比率36~38%目標を掲げ、各種補助金や規制改革を進めています。秋田県でも洋上風力発電の基地整備が動き出すなど、寺田氏が期待する方向に舵が切られています。
动物愛伤では、2022年に动物愛护管理法が改正され犬猫のマイクロチップ裝着義務化などが実現しました。議連で求めていた殺处分ゼロにはまだ遠いですが、ペットショップ規制強化や保护动物施設への支援が進みました。寺田氏も委員会で「动物福祉の観点を畜産行政にも取り入れるべき」と質疑し⁶⁰、家畜のストレス軽減策について農水省から前向き答弁を引き出す場面がありました。
(8) ジェンダー平等・人権
寺田議員は公約で「誰もが自分らしく暮らせる社会」「選択的夫婦別姓やLGBT平等法の実現」に言及していました²²。このテーマでは国会全体でも議論が深まり、2023年6月にはLGBT理解増進法(差別禁止の明文化は見送り)が成立するなど一歩前進しました。
選択的夫婦別姓については法制化はされていないものの、2021年以降、複数の高裁で夫婦同姓を義務付ける現行規定に違憲判断が出るなど状況が動いています。寺田氏自身は2019年のアンケートで「選択的夫婦別姓に賛成」と明言し⁷⁸、国会でもその必要性を訴えてきました。
同性婚に関しても「民法改正に賛成」の立場で⁷⁸、超党派の同性婚を実現する会にも間接的に協力しています。ただこれらは未だ実現に至らず、寺田氏も「次の国会での継続課題」と位置づけています。
総括
以上の検証を総括すると、寺田静議員が掲げた公約の多くは方向性として国の政策に影響を及ぼし、一部は具体的な成果につながりました。マニフェストのキーワード上位10語(支援、子ども、秋田、消費税、中小企業、農業、教育、介護、環境、女性)のうち、特に「支援」「子ども」「秋田」「農業」といった言葉に関する公約は、彼女の国会発言でも頻繁に登場し⁴³³³、実現に向けた努力が顕著でした。
一方、「消費税」や「所得税減税」といった財政・税制公約は発言では触れていても実現が難しく、公約と現実のギャップが大きい領域と言えます。それでも寺田氏は粘り強く問題提起を続け、少なくとも政治議題から消えさせない役割を果たしました。
公約実現度という点では「半分成功、半分これから」という評価になりますが、無所属1年生議員としては上々の成果とも言えます。
寺田静議員は2025年7月実施予定の参院選に向け、「まだ道半ばの課題が多々ある」としながらも「秋田から誰もが安心して暮らせる社会を実現する」という初心を忘れず戦う決意です⁸。有権者にとって、この6年間の活動実績と公約との対比を冷静に見ることで、彼女がどれだけ約束を守り、どれだけ未来へのビジョンを持っているかが見えてくるでしょう。本レポートがその判断材料となれば幸いです。
参考資料
公式資料: • 寺田静公式ウェブサイト「私の考える政策」「プロフィール」²⁴⁵³²² • 寺田静公式ブログ「私が頑張ること」(2019年11月5日)²⁶²⁸、「初めての首班指名に臨み」(2020年9月16日)³⁸ • 寺田静公式Note記事「今後について」(2021年)⁷⁰
国会資料・議会記録: • 参議院会議録(農林水産委員会 寺田静質疑 2024年5月16日・5月23日・5月28日)附帯決議採択³⁴ • JAcom農業協同組合新聞「改正基本法が成立 参院農水委で付帯決議13項目」(2024年5月29日)³⁴ • 国会議員発言映像検索システム(GRIPS gclip)寺田静議員ページ⁷³⁵¹ • 秋田県選挙管理委員会『令和元年分 政治資金収支報告書(要旨)』⁶³
報道資料: • 東京新聞「首相指名選挙で45歳の伊藤孝恵氏に投じられた1票の意味」(2020年10月27日)³⁸ • 朝日新聞デジタル「首相指名、衆院で小泉氏に1票...(※寺田静氏の伊藤孝恵氏投票に言及)」(2020年9月16日)³⁸ • 河北新報「<参院選秋田>寺田静氏が出馬表明 地上イージス反対を強調」(2019年3月8日)⁷⁹ • 秋田魁新報「寺田静氏が当選 参院選秋田選挙区」(2019年7月21日)⁸⁰ • 時事通信「寺田氏、再選出馬を表明 参院秋田」(2025年1月10日)⁸¹ • NHK秋田県のニュース「夏の参院選 現職の寺田静氏が立候補表明」(2025年1月11日)⁸²
分析・その他資料: • サクラダ・アキラ「deep research: 寺田静参議院議員(2019~2025)の活動と実績」(note.com, 2025年6月20日)⁴⁰⁴⁷³³ • 朝日・東大谷口研究室共同調査「2019参議院選挙 寺田静 アンケート結果」(朝日新聞社)⁷⁸ • Yahooリアルタイム検索(X)寺田静アカウント情報(2025年6月)⁶⁵
1 2 3 4 5 10 11 38 39 57 61 78 79 80 81 82 寺田静 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/寺田静 6 7 8 31 32 33 35 36 37 40 41 42 43 44 45 46 47 48 50 58 59 60 62 66 70 71 deep research:寺田静参議院議員(2019~2025)の活動と実績|サクラダ・アキラ https://note.com/tender_gibbon438/n/nd5dde3bfab39 9 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 53 54 55 56 67 75 76 77 寺田静/てらた しずか 公式ウェブサイト https://teratashizuka.com/ 26 27 28 私が頑張ること | 寺田静/てらた しずか https://teratashizuka.com/20191105-00499/ 29 医療的ケア児支援法の改正に向けて、永田町子ども未来会議 ... https://www.facebook.com/KatoChiho/posts/ %E5%8C%BB%E7%99%82%E7%9A%84%E3%82%B1%E3%82%A2%E5%85%90%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%B3%95%E3%81%AE%E6%94%B9% 30 この国会に灯った光 | 寺田静/てらた しずか https://teratashizuka.com/20210618-01210/ 34 改正基本法が成立 参院で可決 参院農水委で付帯決議13項目 |JAcom 農業協同組合新聞 https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2024/05/240529-74414.php 49 寺田静参院議員(前編) 子育ての苦労こそが、政治家としての価値 ... https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/hoiku/57072/ 51 73 参議院 寺田静 | 国会審議映像検索システム https://gclip1.grips.ac.jp/video/dietmember/901/show 52 [PDF] 参議院議員 - 寺田静 https://teratashizuka.com/img/report_2023.pdf 63 pref.akita.lg.jp https://www.pref.akita.lg.jp/uploads/public/archive_0000061381_00/R1/R1syusi/R1syusigaiyouzentai.pdf 64 馬の眼 on X: "2019年の立憲民主党の政治資金収支報告書見てると ... https://twitter.com/ishtarist/status/1447009962161442818 65 「寺田静」のYahoo!リアルタイム検索 - X(旧Twitter)を ... https://search.yahoo.co.jp/realtime/search/user?ei=UTF-8&p=寺田静&rkf=1 68 てらたしずか 寺田静 参議院議員 - YouTube https://www.youtube.com/channel/UCinI9BGPj1ZHTeDKykI3XxQ 69 伊藤たかえ | 参議院本会議の首班指名選挙で寺田静議員から、想いの ... https://www.instagram.com/p/CFM94LyAIyw/ 72 石破首相、消費税率引き下げ「考えておりません」 国民・榛葉幹事 ... https://www.youtube.com/watch?v=gO5iS7HMIPM 74 【子どもが増えない理由は】|寺田静 - note https://note.com/teratashizuka/n/naa62e8ef2c53