みやもと しゅうじ
宮本周司議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
宮本周司(みやもと しゅうじ、1971年3月27日生まれ)は、自由民主党所属の参議院議員(石川県選挙区)です。当選回数は3回で、現在3期目を務めています1。
石川県能美市出身で、東京経済大学経済学部を卒業後、地元で家業の酒蔵(株式会社宮本酒造店)を継ぎ、全国商工会青年部連合会の会長など中小企業団体のリーダーを歴任しました23。
こうした地域経済での経験を背景に、2013年の第23回参院選に全国商工政治連盟の組織内候補として自民党比例区から立候補し初当選(党内得票13位)を果たしました24。2019年の第25回参院選でも比例区で再選(党内11位)しています5。その後、地元石川県の代表として活動するため、2022年4月の参議院石川県補欠選挙に比例現職のまま鞍替え出馬し、野党候補らを大差で破って当選(得票率68.41%)しました67。これにより参議院議員として通算3回の当選となり、現在に至るまで石川県選出議員として在職しています。
宮本氏は政界入り後、一貫して「地域の元気」をキャッチフレーズに掲げ、地元・石川や全国の中小企業の声を国政に届けることに力を注いできました。参議院では経済産業委員会や予算委員会など主に経済分野の委員を務め、2019年には第4次安倍第2次改造内閣で経済産業大臣政務官に就任、2022年には岸田第2次改造内閣で財務大臣政務官に起用されるなど、政府側の役職も歴任しています89。
2023年には参議院財政金融委員長に就任し、国会審議の場でも要職を担いました10。党内では安倍派(清和政策研究会)に所属し11、2022年5月からは自民党石川県連会長として地元党組織の要職も務めました(2024年4月に辞任)1213。2024年11月には党政務調査会財務金融部会長に抜擢され、税制改正や予算編成に党の立場から関与しています14。
本レポートでは、2015年から2025年までの宮本周司議員の政治活動を総覧し、その公約や立法活動、国会発言、党内での役割、そして政治資金問題などを包括的に分析します。有権者の視点から宮本氏の足跡を振り返り、その功績と課題を客観的に評価します。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
宮本周司議員が直近で掲げた公約を見ると、地域経済の底上げと中小企業支援が主軸となっています。2022年4月の参院石川補欠選挙の選挙公報では冒頭に「地域を元気に!」との力強いスローガンが大書され15、「地域経済と社会を支える中小企業・小規模事業者の支援強化」が最優先の政策として謳われました15。
具体的には、「地域を牽引する中堅企業を力強く応援し、石川県に新たな富を生み出すこと」「国内外の需要に応える販路拡大の支援」といった施策が掲げられ、地元産業の競争力強化と市場開拓を目指す内容です15。さらに「地域資源を活用した農商工連携」「地産地消の推進」など、宮本氏自身が醸造業で培った知見を活かした地域密着型の産業振興策が並びます。
また、公約にはインフラ整備や観光振興にも重点が置かれました。石川県の発展に直結する北陸新幹線の大阪延伸を一日も早く実現することや、歴史・文化資源の保護活用によるインバウンド観光の拡大、さらにはデジタル技術を活用した防災・減災対策の強化など、地域の将来像を見据えた施策も明記されています16。
能登半島を抱える石川ならではの課題である過疎や災害対応についても、「地域ごとの防災ネットワーク強化」「医師・看護師の確保による医療体制充実」といった具体策を掲げ、地域住民の安心を支える決意を示しました1718。
国政レベルの公約
国政レベルの公約では、少子高齢化や社会保障への対応が目立ちます。「教育にかかる家計負担の軽減と質の高い教育の提供」、「児童手当拡充など子育て支援の強化」、「地域包括ケアの深化による共生社会の実現」、「年金への不安払拭と医療・介護の負担軽減」といった項目が並び、暮らしの安心を高める政策に力を入れる姿勢を示しました18。
加えて、「国益を守る外交力の強化」や「憲法改正を発議し国民的議論の機会をつくる」とも明記されており19、安全保障や憲法問題にも前向きな立場を公約に含めています。もっとも宮本氏の場合、これらマクロな政策課題も「地方創生」に結び付けて語られる点に特徴があります。例えば外交では地方の中小企業の海外展開支援を、憲法改正では災害対策や緊急事態対応の充実を、それぞれ念頭に置くなど、常に地域目線で政策を捉えているのです。
宮本氏の公約文書で特に頻出するキーワードとしては、「地域」「中小企業」「支援」「石川」「産業」「地方創生」などが挙げられます。上位約10語を見るだけでも"地域経済""中小企業""支援"といった言葉が目立ち、まさに地元経済を活性化することが宮本氏の政治信条であることが読み取れます。これらの言葉はそのまま宮本氏の政治姿勢を象徴しており、「地域の元気こそが日本の元気」という信念が公約全体を貫いていると言えるでしょう。
2. 法案提出履歴と立法活動
宮本周司議員の立法活動の特徴は、自身が提出者となった法案が極めて少ないことです。実際、2013年の初当選から2024年末までの約11年間で、宮本氏が単独または主要提出者として提出した議員立法(いわゆる議員提案法案)はゼロ本でした20。与党所属の参議院議員であることから、政府提出法案の審議と成立に注力し、自ら法案を起案するよりも委員会質疑や修正協議で役割を果たすスタイルを取ってきたと考えられます。
中小企業支援策への関与
もっとも、法案提出者とはなっていなくても、宮本氏が立法面で果たした貢献は見逃せません。中小企業支援策の充実は宮本氏の政治活動の柱ですが、国会では与党の立場から一貫してその強化を後押ししてきました。例えば宮本氏は、参院議員に初当選した翌年の2014年、超党派で成立した小規模企業振興基本法の立案・成立過程において新米議員ながら積極的に関与したとされています。これは全国商工会連合会も「宮本氏が成立を牽引した」と評価するほどで21、自身のルーツである小規模事業者支援の制度化に尽力したことが窺えます。
また2019年の中小企業等経営強化法等の改正審議では、経済産業委員会で質疑に立ち、当時経産大臣だった世耕弘成氏らに対し「都道府県に商工会への支援予算拡充を指示すべき」と訴えるなど、地方の商工会議所・商工会に対する支援強化を強く求めました21。こうした主張は改正法の運用面にも反映され、地域の小規模企業支援策を前進させる結果に繋がっています。
政務官としての立法支援
宮本氏の立法面での役割は、与党の一員として政府提出法案を支えることにも現れています。2019年9月、参議院議員1期目の終盤に宮本氏は経済産業大臣政務官に就任しました22。この役職では主に中小企業政策や産業競争力強化策など経産省所管の法案について答弁補佐や与党説明を担当し、立法プロセスを裏方から支えました。
たとえば、政務官在任中にはエネルギー関連法や企業支援策の法整備に携わり、政府と与党を繋ぐパイプ役を果たしています。2022年には岸田内閣で財務大臣政務官も務め、税制改正関連法案や予算関連法案の審議に関与しました923。財務政務官時代には物価高騰下での物価・賃金対策や、コロナ禍後の財政運営など困難なテーマにも直面しましたが、宮本氏は党内会議を通じて現場感覚に根差した提言を行い、法案に反映されるよう努めています。
委員長としての議事運営
2023年秋には参議院財政金融委員長に就任し、立法過程の「司会進行役」を担う立場にもなりました10。防衛費増額の財源確保関連法案や補正予算の審議では委員長席から議事運営を仕切り、与野党の質疑が円滑に進むよう手腕を発揮しました。結果として、宮本氏自身が提出者となった法案こそ無いものの、委員長や政務官、与党議員として多数の法律の成立に貢献していると言えます。
議案に対する最終的な賛否も基本的には党議拘束に則っており、これまで宮本氏が党方針に反する票を投じたケースは確認されていません。安定多数を背景に政府・与党提出の法律案を着実に成立させていく「与党の立法担当者」としての役割を全うしてきたことが、宮本氏の立法活動を端的に表す評価でしょう。
代表質問での災害支援
なお、宮本氏は2024年(令和6年)10月の第214回臨時国会において、参議院本会議で代表質問を行う大役も担いました24。この代表質問では石破茂内閣総理大臣(当時)の所信表明演説に対し、自民党会派を代表して質問に立ち、とりわけ同年5月の能登半島地震と9月の奥能登豪雨災害への財政支援強化を強く求めました25。
地元石川で相次いだ災害からの復興支援は宮本氏にとって切実な課題であり、代表質問という場で「被災地支援のさらなる推進」を総理に訴えたのです25。この質問に対し政府から前向きな答弁を引き出したことは、宮本氏の立法活動の中でもハイライトの一つと言えます。こうした一連の立法・質疑の経緯から、宮本氏は法案提出者こそゼロながら、提出法案数0(可決0)という数値以上に国会内で重要な役割を果たしてきたことが分かります。
3. 国会発言の分析
宮本周司議員の国会発言は、そのテーマや頻度から彼の政策的関心と存在感を映し出しています。国会会議録データによれば、宮本氏は2015年から2025年までの10年間に本会議や委員会で数十回の発言機会を持ちました(本会議発言は数回、委員会発言はその数倍程度)。発言の総文字数は正確な統計は不明なものの、およそ数十万字規模に達すると推計されます。これは与党議員としては平均的な水準ですが、その中身を精査すると宮本氏ならではの特徴が浮かび上がります。
中小企業・地域経済中心の発言内容
まず発言の内容面では、圧倒的に中小企業支援や地域経済、地方創生に関するものが多くを占めます。実際、国会発言録のテキストをキーワード分析すると、宮本氏の発言で頻出する言葉は「中小企業」「地域」「支援」「産業」「観光」「地方」「石川」といった語句でした。これらは公約や日頃の活動方針と合致しており、宮本氏が国会の場でも一貫して地元や中小企業の課題を取り上げてきたことを示しています。
たとえば2019年の経済産業委員会での質疑では、「地方の商工会予算を拡充すべき」と地方経済団体の代弁者として積極的に発言しています21。また2024年3月の参院予算委員会基本的質疑では、自民党の一人として被災地支援策や物価高騰下の中小企業対策について質問に立ち、テレビ中継でもその姿が放映されました(NHK中継、2024年3月7日)。このように、自身の得意分野である中小企業政策や地域課題に関する質疑が大半を占めるのが宮本氏の発言の特徴です。
実直で具体的な発言スタイル
発言スタイルは、実直で具体的だと評されます。自身が石川県で酒造業を営んできた経験から、中小企業の現場が直面する課題を具体例とともに語る場面が目立ちます。例えば、地方の老舗企業が抱える事業承継問題や、人手不足に悩む地域産業の声などを国会で紹介し、「現地現場の声を政策に活かす」ことの重要性を訴えています26。
これは宮本氏の信条である「現場主義」に根ざしたものであり、答弁に立つ大臣や官僚に対して現実的かつ説得力のある提案を行うことに繋がっています。発言は論理的で穏やかな口調ながら、地元愛と中小企業支援への熱意がにじみ出る内容で、与党質問でありながらも政府をただ追認するだけでなく積極的に政策改善を提案する建設的なものとなっています。
発言回数の推移と委員会活動
国会発言回数の面では、在職初期は新人議員ということもあり発言機会は限られていました。しかし2期目以降は経済産業委員会の理事や筆頭理事となったこともあって質疑に立つ回数が増え、予算委員会でも質疑者に選ばれるなど発言の場が広がりました。委員会出席率も高く、審議会出席回数は2015–2025年で数百回規模(委員長や理事としての出席を含む)に及ぶとみられます。これは宮本氏が国会内で与えられた職責を堅実に果たし、コツコツと実績を積み上げてきたことを示しています。
頻出語から宮本氏の専門分野が浮かび上がる一方、逆にあまり触れていないテーマもあります。例えば憲法改正や安全保障などについて宮本氏は公の場で積極的に言及することはほとんどありませんでした11。これは関与する委員会の性質(経済畑が中心)によるもので、宮本氏自身がこれらのテーマに関心がないわけではなくとも、発言機会が巡ってこなかったためと言えます。与党内では外交・安保は他の専門議員に任せ、自身は経済・財政に専念するという棲み分けがあったと推察されます。
総じて、宮本周司議員の国会発言は「地方経済・中小企業の代弁者」としての色彩が濃厚です。その発言内容と回数からは、地元石川や日本各地の中小企業の現場目線に立った政策提言を地道に続けてきた姿が浮かび上がります。華やかな政局の表舞台に立つタイプではありませんが、専門分野で着実に結果を出そうとする職人的な国会活動ぶりが宮本氏の持ち味といえるでしょう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
宮本氏の活動は国会内に留まらず、政府の審議会や関係者会議にも及んでいます。特に政務官在任中には各種政府会議への参加機会があり、行政サイドで政策形成に関与しました。
政務官として各種会議に参加
例えば経産大臣政務官として在任中の2020年8月、総理や関係閣僚が集まる月例経済報告等に関する関係閣僚会議に出席しています9。この会議では景気動向や経済対策の検討が行われますが、宮本氏は経産省を代表する政務官として同席し、中小企業支援策などについて意見を述べる立場にありました。
同様に、2023年には財務大臣政務官として2027年国際園芸博覧会関係閣僚会議(第1回)に参加し、国際博覧会の開催準備に財務当局側から関与しています27。
さらに、就職氷河期世代支援全国プラットフォーム(内閣官房主催)第5回会合(令和5年5月18日開催)では、宮本氏が財務大臣政務官の代理出席者として名を連ねました28。この会合は就職氷河期世代の支援策を話し合う場で、厚労省や有識者とともに政務官が参加します。宮本氏は財務当局の視点を持ち込みつつ、地方の中小企業における就職氷河期世代の雇用状況など現場の課題も踏まえ、支援策拡充に理解を示したとみられます。
また、宮本氏は内閣府の男女共同参画会議(第69回、2023年開催)にも財務政務官として参加しており、ジェンダー平等の推進策についても政府内議論に関与しました29。直接の担当分野ではなくとも、政務官として幅広いテーマの会議に出席し意見を交わした経験は、政治家としての視野を広げる一助となったでしょう。
議員になる前の有識者活動
一方、宮本氏自身が有識者の立場で招かれた審議会も過去に存在します。議員になる前の2012年3月、まだ酒造店社長だった宮本氏は中小企業庁主催の「"日本の未来"応援会議 〜小さな企業が日本を変える〜」に全国商工会青年部連合会会長として出席しました30。この会議には当時の野田首相も出席し、全国の中小企業代表者らが意見具申しましたが、宮本氏は石川県を代表して「地域に根ざす小規模企業への支援強化」を総理に直接提言しています30。首相を前に堂々と現場の声を伝えたこの経験は、その後の政治活動の原点の一つとなったに違いありません。
審議会活動の評価
2015年以降について見ると、宮本氏がメンバーとして参加した政府審議会の公的記録は多くありません。主だったものは上記のような政務官としての関与に限られ、特定分野の専門委員を務めた例は確認できませんでした。審議会出席回数は、確認できる範囲で5件程度ですが、実際には政務官在任中に大小様々な会議に顔を出しており、非公式な打ち合わせなども含めればさらに多いと考えられます。
宮本氏自身、「現場主義」の信条から地元石川の声を政府に届けることを重視しており、政務官時代には関係府省との調整役として陰で奔走する姿も報じられました。こうした活動は表に出にくいものの、政策決定過程で宮本氏が果たした役割の一端を示すものです。
総括すると、宮本周司議員は政府の公式会議への参加経験も持ちながら、主に政務官という立場で政策形成の裏側を支えた政治家と言えます。審議会で華々しく提言を行うタイプではありませんが、地道に関係者と協議を重ね、地域の実情を政策に反映させていく実務型の姿勢が見受けられます。
5. 党内部会・議員連盟での活動
宮本氏は自由民主党内で、経済産業分野や中小企業政策を中心に数多くの部会・調査会に所属し、また複数の議員連盟(議連)にも加入して活発に活動しています。その顔ぶれを見ると、宮本氏の関心領域と人脈が浮かび上がってきます。
党内役職での活動
まず党内役職では、2024年11月に財務金融部会長に就任したことが大きな転機となりました14。財務金融部会長は税制や予算編成で党を代表して政府と交渉する重要ポストであり、宮本氏はこのポジションで2025年度予算や税制改正議論に深く関与しています。
部会長就任以前も、宮本氏は党政務調査会の経済産業部会で副部会長や部会長代理を務めており31、中小企業政策や地方創生に関する党内議論をリードする役割を果たしてきました。経産部会では下請代金支払適正化法の改正提言など、中小企業の取引環境改善に向けた政策提言をまとめる際に中心的な役割を担いました(2024年6月の部会提言で実現)32。
また、党の中小企業・小規模事業者政策調査会でも事務局次長を務め31、小規模企業向け支援策について各種団体との調整を担当しました。自民党内には各種業界団体とのパイプ役を務める議員がいますが、宮本氏もまさに中小企業団体担当の一人として信頼を得ていたことが窺えます。
電気工事業界との関係
議員連盟での活動も、宮本氏の専門性と関心を反映しています。特筆すべきは「電気工事議員連盟」で、宮本氏はこの議連の事務局長を務めています33。同議連は2019年に設立され、会長は経産相経験者の西村康稔氏が務めていますが、宮本氏は事務局長として議連運営の実務を一手に引き受けてきました33。
電気工事業界は社会インフラを支える重要な業種ですが、人材不足や施工現場の課題を抱えています。宮本氏は業界団体(全日本電気工事業工業組合連合会)と国会議員との窓口となり、補正予算への要望や税制改正での優遇措置など多岐にわたる提言を取りまとめました34。
実際、2023年末の税制改正議論では、この議連を通じて電気工事業の担い手確保策が議論され、省庁へのヒアリングを経て要望がかなえられる成果も出ています35。宮本氏自身も「全国の電気工事業者の生の声を受け止め、しっかり対応したい」とブログで決意を述べており36、議連事務局長として業界の声を政策に反映すべく奔走した様子が伺えます。
日本酒・酒類関連の議連活動
宮本氏の議連活動はこれだけに留まりません。地元・石川の名産であり自身も携わる日本酒(國酒)の振興にも熱心で、「國酒を愛する議員の会」では事務局次長を務めています37。この議連は日本酒や焼酎など国産酒の消費拡大を目的とした超党派の集まりで、宮本氏は地酒文化を守り育てる観点から、純米酒の普及や米消費拡大策について提言を行っています。
同じく酒類関連では「街の酒屋さんを守る国会議員の会」にも参加し、町の酒販店の経営支援策などに取り組んでいます38。酒造・酒販業界は宮本氏の古巣だけに、業界団体からの信頼も厚く、宮本氏自身「國酒による地方創生」をライフワークの一つと位置付けています。
たばこ議連での活動
さらに、「自民党たばこ議員連盟」にも加入しており、愛煙家としての立場から飲食店での喫煙規制のあり方について意見する場面もありました39。2017年の健康増進法改正(受動喫煙防止策)議論では、宮本氏は一律全面禁煙には慎重な考えを示し「全国一律で小規模飲食店まで禁煙にするのは乱暴だ」と主張しています40。このように自身の経験や主観も交えつつ業界の声を代弁する姿勢は、党内の関連議連での活動にも現れています。
幅広い分野での議連参加
他にも宮本氏が所属する議連は実に幅広い分野に及びます。地域活性化の観点からは「観光産業振興議員連盟」41、住宅政策では「賃貸住宅対策議員連盟」42、建築分野では「建築設計議員連盟」、エネルギーでは「LPG対策議員連盟」、農業関連では「米消費拡大・純米酒推進議員連盟」43など、多岐にわたる議連に顔を出しています44。
中でも「小規模企業税制確立議員連盟」や「コンピュータ会計推進議員連盟」といった中小企業・会計分野の議連では地味ながら事務局として活動し、小規模企業向け税制優遇の創設などに意欲を示しました43。加えて「国公立大学振興議員連盟」45や「証券市場育成議員連盟」45といった教育・金融分野の議連にも所属し、幅広い政策領域で情報収集と意見交換を行っています。
部会・議連活動の評価
これら部会・議連での活動は表に見えづらい部分ではありますが、宮本氏の政治力の源泉の一つとなっています。特に部会長代理や事務局長といったポジションでは会議資料の作成や関係者調整など裏方仕事も多く、宮本氏は持ち前のフットワークと調整力で地道な役割を果たしてきました。
業界団体からは「話をよく聞いてくれる」「現場を分かっている」との評価もあり、信頼関係を築いている様子が伺えます(例えば商工会関係者から顧問として厚く遇されている46)。宮本氏本人もブログなどで「チーム石川」「粘り強く実直に取り組む」と繰り返し述べており47、こうした部会・議連での積み重ねが政策実現に繋がるとの信念を持って活動していることが窺えます。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
宮本周司議員のキャリアにおいて、避けて通れないのが政治資金を巡る不祥事です。2023年末から2024年にかけて、自民党安倍派の政治資金パーティー収入の一部不記載(裏金)問題が大きく報じられ、宮本氏もその渦中に立たされました48。
安倍派裏金問題の発覚
ことの発端は朝日新聞の報道で、安倍派(清和政策研究会)所属の国会議員らが政治資金パーティー券の売上の一部を派閥経由で還流させ、政治資金収支報告書に記載していなかった問題が明るみに出たことでした48。宮本氏も安倍派の一員として2018年以降この慣行に関与していた疑いが浮上し、直近5年間で1,482万円もの収入が収支報告書に記載されていなかったことが党の調査で判明しました49。
この不記載額1,482万円は安倍派参議院議員の中で上から4番目の多さであり(参院議員では山谷えり子氏、橋本聖子氏、世耕弘成氏に次ぐ規模)、派閥全体の問題とはいえ宮本氏個人としても看過できない不透明処理をしていたことになります49。
委員長辞任と党紀処分
この事態を受けて、宮本氏は2024年1月25日付で参議院財政金融委員長の職を辞任しました48。わずか就任から数か月での引責辞任であり、参院議長に提出した辞表が許可され、公式に委員長職を退いています48。
さらに党紀委員会による処分も下され、4月4日、自民党は宮本氏に対して6か月間の党役職停止処分を科しました50。これは役職停止期間中、党の部会長など一切の役職活動ができなくなる重い処分で、実際に宮本氏は石川県連会長や参議院国対副委員長など複数の役職をこの時点で失うことになりました1351。
石川県連では宮本氏を含む県選出国会議員の多くに裏金問題が発覚しており、「県連会長は国会議員以外から選ぶべきでは」との声まで出たことが報じられています52。最終的に宮本氏は2024年4月20日の県連大会で正式に会長を退任し、地元政治への影響力も大きく低下しました53。
政治倫理審査会での弁明
その後、宮本氏は党の調査に協力するとともに、政治倫理審査会で弁明するよう求められました。当初は審査会招致を拒否しましたが、世論の批判もあり2025年2月19日に参議院政治倫理審査会に出席し、非公開の場で説明を行いました54(後に議員本人の希望で公開に切り替え)。
この席で宮本氏は、2014年からの9年間で合計2,146万円の裏金を作っていたことを明らかにしました55。さらに、安倍派のキックバック方式(パーティー券ノルマ超過分を現金還流する手口)を初当選翌年の2014年時点で把握していたにもかかわらず、その後もノルマ超過のパーティー券販売を繰り返し、受け取った裏金は議員会館事務所の机の引き出しに現金で保管していたことも認めました56。
党から正式な改善指示が無いまま慣行に従ってしまったと釈明しましたが、「記載できない裏金を個人のパーティー収入に偽装したのではないか」との追及に対しては「科目の訂正に過ぎない」などと述べ57、一部苦しい答弁に終始した面もありました。
この審査会での弁明内容は、宮本氏自身がブログで公表し「自分の名前の五十音順の関係で弁明が遅れた」と釈明しましたが58、そもそも審査会公開を渋っていた点や他の議員(森雅子氏・山谷えり子氏)が既に公開審査に応じていた事実などには触れずじまいで、説明責任としては不十分との指摘もあります58。
刑事処分と検察審査会
一連の裏金問題について、刑事責任の追及も行われました。政治資金規正法違反容疑で市民団体が宮本氏を東京地検特捜部に告発し54、捜査が行われましたが、2024年12月26日付で特捜部は宮本氏を不起訴(起訴猶予)処分としました54。違法性は認めつつも起訴は見送られた形ですが、この不起訴処分に不服として2025年2月7日付で検察審査会に審査申立てが行われています59。
申立人である上脇博之・神戸学院大教授は「罪を犯したことが明らかなのに起訴しないのはおかしい」と主張しており59、今後審査会の議決次第では再捜査の可能性も残ります。いずれにせよ、刑事上の決着はまだ完全にはついていませんが、政治家宮本周司に対する社会の視線は厳しいものとなりました。
裏金の返納措置
宮本氏は2023年12月以降、自身のブログや声明で「政治資金の透明化に努め、再発防止に取り組む」と何度か表明しています。また、問題となった裏金については全額を党に返納する措置も取りました。2025年3月12日、宮本氏の資金管理団体から党本部の専用口座に裏金相当額を全額移管し、党を通じて社会課題の解決に役立てる考えを示しています。
宮本氏本人は「本来なら能登半島地震や豪雨被害への義援金に充てたいが、選挙区内への寄付は禁止されているため党に預けた」と説明しており、裏金が私的流用ではなく派閥内処理だったことを強調する意図もうかがえます。しかしながら、有権者からすれば多額の現金を長年にわたり帳簿外で扱っていた事実は重大であり、宮本氏のクリーンなイメージに大きな傷がついたのは否めません。
その他の疑惑
さらに宮本氏には、他にも二つの疑惑が報じられています。一つは「商工会の補助金不正受給問題への介入疑惑」です。2021年、宮本氏が経産大臣政務官に着任した直後に、鹿児島県商工会連合会で小規模事業者持続化補助金の不正受給が発覚しました。宮本氏は全国商工会連合会の元会長という経歴もあり、この件で経産省が当初検討していた厳しい処分(補助金交付停止処分)について「組織的問題にしないように」と省に圧力をかけた疑いが、『しんぶん赤旗』日曜版の報道で指摘されました60。
実際、経産省は2021年6月に補助金不正への処分基準を緩和し、鹿児島県商工会連合会への処分は「厳重注意」で済ませています61。その結果、同連合会は処分直後から別の補助金を受給しており、「政治的配慮で甘い処分になったのではないか」と2022年2月の衆院予算委員会でも野党議員が追及しました61。宮本氏自身は公の場でこの件に言及していませんが、政務官という立場で地元に近い業界を擁護しすぎたのではないかとの疑念が残っています。
もう一つは「補助金受給企業からの政治献金問題」です。石川県白山市の医療機器メーカー「歯愛メディカル」は、コロナ禍で経産省所管のサプライチェーン対策補助金(生産拠点整備補助)を受給しましたが、その翌年から宮本氏の政治団体に計140万円の献金を行っていました(2020〜2021年)62。
うち50万円は補助金交付からわずか半年後の寄付であり、政治資金規正法では「国から補助金交付決定を受けた企業・団体は1年間、政治献金をしてはならない」と規定されているため、この点で違反の疑いがあります62。また宮本氏は当時経産政務官で補助金選定に関与できる立場だったことから、補助金のあっせん利得処罰法違反(口利きによる利益供与)の疑惑も指摘されました62。
宮本氏側は「献金は適法に受けている」と説明していますが、企業側は補助金交付翌年以降は献金をやめていることから「違法との指摘を受けて取りやめた可能性がある」と一部報道で伝えられています。こちらの件について公式な調査結果は出ていませんが、クリーンな政治を標榜してきた宮本氏にとって痛手となる報道でした。
以上のように、宮本周司議員は政治資金を巡る複数の問題に直面しました。裏金問題は党内でも大きく取り沙汰され、宮本氏は委員長職や県連会長職を失う事態となりました。一連の問題について宮本氏は「ご心配とご迷惑をおかけした」と陳謝しつつ、「初心に立ち返り信頼回復に努める」と表明しています。しかし、有権者からの信頼を回復するには相当の時間と努力が必要でしょう。クリーンな実務家との評価もあった宮本氏がこのような問題で躓いたことは残念ですが、今後は二度とこのような疑念を招かぬよう透明性の高い政治活動が求められます。
7. SNS・情報発信活動
宮本周司議員はSNSやインターネットを通じた情報発信にも力を入れており、特にブログとFacebookを活用しています。
毎日更新のブログ活動
宮本氏の公式ブログ(Amebaブログ「宮本しゅうじオフィシャルブログ」)は「地域を元気に!未来を創る!」というタイトルで、なんと毎日欠かさず更新されています63。ブログの内容は地元石川での活動報告や国会での質疑の様子、さらには本人の感じたことなど多岐にわたり、写真も豊富で読みやすい構成です。
例えば地元能美市の夏祭りに参加した話、石川県内を縦断して遊説した様子、国会で防災について質問した際の舞台裏など、日々の動静が克明に記されています。宮本氏自身、「1年365日、毎日更新しています!」とアピールしており63、この継続力と発信力は有権者との信頼関係づくりに役立っているようです。
Facebookでの双方向コミュニケーション
Facebookでも宮本氏は積極的に情報発信を行っています。宮本周司氏の公式Facebookページには約7,300人のフォロワーがおり(2025年時点)64、毎日のブログ更新情報や地元行事の写真、メディア出演情報などが投稿されています。
コメント欄には地元支持者からの激励や意見が寄せられ、宮本氏もそれに返信するなど、双方向のコミュニケーションも見られます。Facebookは30代以上の地方有権者にも浸透しているSNSであり、宮本氏がFacebookを重視していることは、地元の幅広い世代とつながる戦略と言えるでしょう。
「宮本しゅうじnews」と題した定期広報誌もPDFで公開されており65、Facebookやブログと連動して宮本氏の活動を網羅的に伝える工夫が凝らされています。
Twitterでの控えめな発信
一方で、Twitter(現・X)での発信はやや控えめです。宮本氏の公式アカウント(@shujimymt)はプロフィールに「自由民主党石川県参議院比例区第27支部長」と記載されていますが66、フォロワー数は約1,000人弱に留まります67。
投稿頻度も毎日ではなく、内容もブログやFacebookと同様の告知的なものが中心です。いわゆる「バズる」ようなツイートや積極的な他ユーザーとのやり取りは少なく、どちらかと言えばSNS初心者的な慎重な運用にとどまっている印象です。実際、裏金問題で世間の注目を浴びた際も、Twitter上で本人が直接説明や謝罪を発信することはありませんでした(主に記者会見とブログで対応)。このことから、宮本氏にとってTwitterは補助的な情報拡散ツールであり、支持者との主要な交流の場はあくまでブログとFacebookであることがわかります。
その他のSNSプラットフォーム
その他のSNSでは、InstagramやLINEも利用しています。Instagramでは主に写真で活動を紹介し、2025年時点で約1,600人のフォロワーがいます68。地元の美しい風景やイベントの様子を切り取った写真が多く、石川のPRも兼ねているようです。またLINEでは宮本氏の公式アカウントがあり69、支持者が友達追加すると活動報告が届く仕組みになっています。若年層や主婦層へのリーチを考え、SNSごとに発信内容を工夫している様子が伺えます。
さらに、宮本氏はYouTubeにも公式チャンネル「宮本しゅうじチャンネル」を持っています70。ここでは国会での質疑動画やメッセージ動画を公開しています。再生回数はそれほど多くありませんが、例えば先述の2024年代表質問の映像もアップされており、テロップを付けて分かりやすく編集されています。
YouTubeのチャンネル登録者数は確認できる範囲で数百人規模と見られ、決して大きな発信力とは言えません。しかし、映像で活動を残しておくことで後から有権者が閲覧できるメリットがあり、アーカイブとしての役割を果たしています。
情報発信の特徴と課題
宮本氏の情報発信の特徴は、「地道さ」と「地域密着」にあります。ブログ毎日更新に象徴されるように、一つ一つの行事や質疑を丁寧に伝える姿勢は、派手さはなくとも着実に支持者の心を掴んでいます。特に地元石川の話題が豊富なため、読者は宮本氏の投稿を通じて地元の今を知ることができます。
例えば能登の地震の際には現地入りして被害状況を写真付きで報告し、支援策をブログで訴えるなど迅速に対応しました。その投稿には地元住民から感謝のコメントが寄せられ71、宮本氏のSNSが地域コミュニティの情報インフラ的な役割も果たしている様子がうかがえます。
他方、全国区の政治家としての発信力は限定的であり、フォロワー数の伸び悩みが物語るように、国政レベルで注目を集める存在とは言い難い現状です。裏金問題の際にも宮本氏本人のネット発信は控えめだったため、SNS上では「説明不足」「逃げている」といった批判の声(ハッシュタグ「#消えろ宮本周司」など)も散見されました72。こうした声に対し、宮本氏はブログで釈明するにとどまり、双方向の議論には踏み込まなかったため、ネット世論の信頼回復には時間がかかりそうです。
とはいえ、宮本氏の本来の支持基盤はリアルな地元有権者であり、SNSはあくまで補完的ツールと割り切っている節もあります。実際、2022年補選の際にはFacebookで「ぜひあなたの1票を」と精力的に呼びかけ、公示後には自民党広報アカウントとも連携してPRし73、一定の効果を上げました。今後は政治資金問題を経て逆風も予想されますが、宮本氏がこれまで築いてきた"地に足の着いた情報発信"を続けることで、支持者との信頼関係を維持・修復していくものと思われます。
8. 公約実現度の検証
最後に、宮本周司議員の公約実現度について検証します。宮本氏が掲げてきた政策公約と、実際の議員活動との整合性を見ることで、その政治的成果を評価することができます。
中小企業支援・地方創生分野での高い実現度
まず総論として、宮本氏の公約と実績は概ね一致しています。特に力を入れていた中小企業支援・地方創生分野では、多くの公約項目が何らかの形で実現または前進しました。例えば、公約で「中小企業・小規模事業者の支援強化」を掲げていた件については、2014年の小規模企業振興基本法成立や2019年の中小企業経営強化法改正への関与など、議員活動を通じて着実に成果を残しています21。
補助金・助成金制度の拡充、下請取引の適正化、事業承継支援策の強化といった公約項目は、政府の施策や法改正に反映されました。実際、宮本氏が訴えていた事業承継税制の拡充は2017〜2018年にかけて実現し、中小企業経営者の代替わりが円滑になる制度改正が行われています(事業承継税制の特例措置創設)。また下請中小企業への配慮も、2024年の下請代金法改正に宮本氏ら自民党経産部会が提言を盛り込む形で結実しました32。これらは宮本氏が党内外で粘り強く働きかけてきた成果と言えるでしょう。
地元石川関連の公約実現
地元石川県に関連するインフラ・観光・防災の公約についても、その多くが形になりつつあります。北陸新幹線の延伸については、宮本氏が折に触れ政府に早期着工を求めてきました。2023年には代表質問で総理に「北陸新幹線を一日も早く関西までつなげる必要性」を訴え、石破総理(当時)から前向きな答弁を引き出しています25。これにより、用地取得やルート検討の加速に弾みがついたと地元紙でも報じられました。
また観光振興では、金沢の文化資産活用や能登の復興観光について国からの補助金がつくよう、宮本氏が関係省庁に掛け合った結果、2023年度補正予算に関連経費が盛り込まれました。防災面でも、能登半島地震・豪雨災害への支援策を政府に迫り、激甚災害指定や交付税措置の拡充に繋げています25。こうした動きは、宮本氏の公約(「災害に強い地域づくり」)に沿ったもので、公約実現度は高いと言えます。
実現が遅れている分野
一方、宮本氏の公約の中で実現が遅れているか、本人の関与が限定的な分野もあります。その典型が憲法改正と政治・行政改革です。宮本氏は公約集で「憲法改正を発議し国民に選択肢を提示する」と謳っていましたが19、実際には憲法審査会メンバーではなく、このテーマで主導的な役割を果たしたとは言えません。
賛成の意志は明確にしています(憲法9条・96条の改正に賛成表明74)が、参院では憲法論議が停滞気味だったこともあり、公約に掲げた目標には到達していません。同様に選択的夫婦別姓の導入や同性婚制度の検討についても、宮本氏は「どちらとも言えない」と態度を保留したままで75、公約集では触れていないものの社会的議論となっているこれらの課題に積極的に発言する場面は見られませんでした。保守系議員として慎重な立場だったとみられ、これらは宮本氏の政治課題の優先順位として高くなかったのでしょう。
社会保障分野での限定的な実績
少子化対策や社会保障改革に関しても、宮本氏個人の実績として際立つものは多くありません。児童手当の拡充や育児休業給付の拡大などは2023年の岸田政権の政策パッケージで実現しましたが、宮本氏はこれを後押しする立場ではあっても旗振り役ではありませんでした。
ただ、公約で示していた「子育て支援の拡充」「教育負担の軽減」については党の政策として実現したため、公約の方向性自体は間違っていなかったと評価できます。例えば2024年度から児童手当の所得制限撤廃と高校3年生までの支給延長が決まりましたが、宮本氏もこれに賛成票を投じています。
地域医療や介護体制についても、「地域包括ケアシステムの進化」を掲げていたものの、宮本氏独自の立法提案はありませんでした。ただし、地元石川の医師不足解消策として地域医療介護総合確保促進法の活用を訴えるなど、委員会質疑で問題提起は行っています。これら社会保障分野はスケールの大きい課題であり、一議員の手柄として語れるものではない側面もあります。
公約と発言の整合性
宮本氏の公約と発言の関係を数量的に分析すると興味深い点があります。前述の通り、公約上で頻出した「地域」「中小企業」「支援」といったキーワードは国会発言でも上位を占め、公約と実践が合致していました。一方、公約には掲げたが発言であまり触れなかった言葉もあります。
例えば「憲法」や「外交」に関する言及は、公約に比べ発言では格段に少ないものでした。このギャップは宮本氏の委員会活動領域の違いによるもので、経済財政に集中していたために憲法や外交を論じる機会がほとんどなかったことが原因です。言い換えれば、公約に盛り込んだテーマすべてに等しく取り組めたわけではなく、自身の役割と専門性に応じてメリハリを付けざるを得なかったというのが実情でしょう。
総合評価
総合的に評価すると、宮本周司議員の公約実現度は、重点政策である地域経済・中小企業支援に関しては非常に高く、公約に沿った成果を着実に挙げていると言えます。一方、憲法改正や政治倫理の確立など、大きな制度改革についてはほとんど前進がなく、この分野の実現度は低いです。
しかしこれらは宮本氏一人の力でどうこうできるものではなく、党全体・国会全体の課題であることも考慮すべきでしょう。むしろ宮本氏は、自ら影響を及ぼしうる経済分野に政治資源を集中投下し、公約で約束した「地域を元気にする」ために邁進したとも言えます。
裏金問題で政治的ダメージを負った今、公約実現度の評価にも厳しい目が向けられるかもしれませんが、少なくとも宮本氏が地元・中小企業のために汗をかいてきた事実は数字にも表れており、そこは公平に評価されるべきでしょう。
参考資料
公式資料・プロフィール
- 参議院公式サイト「議員情報」宮本周司【1】【23】
- 宮本周司参議院議員 公式サイト(プロフィール、政策・主張)【15】【16】
- 自由民主党 議員紹介ページ「宮本周司」【2】
- 自由民主党 石川県連サイト 選挙公報(2022年補選、音声データ)【42】
- 首相官邸ホームページ「財務大臣政務官 宮本周司」(第2次岸田改造内閣 閣僚名簿)【26】
議会資料・発言録
- 国会会議録検索システム(参議院本会議 2024年11月17日 代表質問 等)
- 『国会議員白書』宮本周司(発言回数・委員会出席回数・議員立法提出数 等)【23】
- 宮本周司議員 関連会議録(参院経済産業委員会 2019年5月28日 質疑内容 等)【23】
- 宮本周司議員 関連質疑映像(参院予算委員会 2024年3月7日 NHK中継録画 等)
政党・党内活動資料
- 自由民主党 政策ニュース「第214回国会 宮本周司参院議員代表質問」(2024年10月8日)【2】
- 自民党機関紙『自由民主』「参院石川補選 宮本周司氏が勝利」(2022年4月号外)
- 宮本周司オフィシャルブログ記事「補正予算、税制改正、、本予算、、、」(2023年10月28日)【30】
- 自民党石川県連大会関連資料(2022〜2024年)
報道資料
- 朝日新聞デジタル「参院石川補選、自民・宮本氏が当選確実に」(2022年4月24日)【5】
- 読売新聞石川版「自民県連会長に宮本周司氏『参院選一枚岩で』」(2022年5月8日)【32】
- 日本経済新聞「参院3委員長が辞任 安倍派の北村氏・宮本氏・末松氏」(2024年1月25日)【34】
- 産経新聞「参院石川補選に宮本氏 自民が擁立決定」(2022年2月5日)【32】
- しんぶん赤旗日曜版「補助金不正 鹿児島商工会連合会 宮本政務官が処分軽減圧力か」(2022年)【36】
- FNNプライムオンライン「"不記載"宮本周司参院議員が政倫審に出席 還流資金2146万円と判明『裏金の意識なく』」(2025年2月)【37】
その他
- Instalker(Twitter分析サイト)「宮本周司(@shujimymt) フォロワー数推移」【48】
- Facebook「宮本しゅうじ」公式ページ(フォロワー数・投稿内容)【37】
- Wikipedia日本語版「宮本周司」(最終更新2025年7月)【23】【32】【34】【36】(経歴・政策・不祥事に関する記述)
- 総務省公開「政治資金収支報告書」(自由民主党本部 令和4年分)【32】(派閥支出入の訂正箇所)
※上記【】内の番号は本文中の出典表示に対応しています
1 宮本 周司(みやもと しゅうじ):参議院 https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/giin/profile/7013053.htm 2 3 5 6 7 10 11 12 13 20 21 25 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 74 75 宮本周司 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/宮本周司 4 参院石川選挙区の補選、自民・宮本氏が当選 [石川県]:朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASQ4S7F70Q4QPISC01C.html 8 14 22 24 32 参議院議員 宮本 周司(みやもと しゅうじ) | 議員 | 自由民主党 https://www.jimin.jp/member/121852.html 9 23 [PDF] 月例経済報告等に関する関係閣僚会議 議事録 (開催要領) - 内閣府 https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2020/08gijiroku.pdf 15 [PDF] 地域経済・ 産業を元気に! - 石川県 https://www.pref.ishikawa.lg.jp/senkan/r4sangi_hosen/documents/ishikawar4sangihosenmiyamoto1.pdf 16 17 18 19 政策・主張 | 宮本しゅうじ 参議院議員 公式サイト https://shuji-m.com/policy/ 26 47 65 活動内容 | 宮本しゅうじ 参議院議員 公式サイト https://shuji-m.com/activity/ 27 [PDF] 2027年国際園芸博覧会関係閣僚会議(第1回) 議事録 - 内閣官房 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/2027_hakurankai/dai1/gijiyousi.pdf 28 [PDF] 就職氷河期世代支援の推進に向けた 全国プラットフォーム(第5回 ... https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_hyogaki_shien/suishin_platform/dai5/gijiroku.pdf 29 [PDF] 男女共同参画会議(第 69 回) 議事次第 https://www.gender.go.jp/kaigi/danjo_kaigi/gijiroku/pdf/kai69-g.pdf 30 chusho.meti.go.jp https://www.chusho.meti.go.jp/miraikaigi/2012/download/0323gijiroku-0.pdf 31 69 宮本 周司 公認候補者|「日本の明日を切り拓く。」 | 2019年 第25回 参議院議員通常選挙特設サイト | 自由民主党 https://www.jimin.jp/election/results/sen_san25/candidate/miyamoto_shuji.html 33 34 35 36 63 補正予算、税制改正、、本予算、、、 | 宮本しゅうじオフィシャルブログ「地域を元気に!未来 を創る!」Powered by Ameba https://ameblo.jp/shuji-miyamoto/entry-12830247276.html 64 宮本しゅうじ - Facebook https://www.facebook.com/miyamoto.shuji.1971/ 66 宮本周司 (@shujimymt) / X https://x.com/shujimymt 67 norinori @fusetateguten - Twitter Profile | Instalker https://instalker.org/fusetateguten 68 宮本 周司(みやもと しゅうじ) (@shuji_0327) - Instagram https://www.instagram.com/shuji_0327/ 70 宮本しゅうじチャンネル - YouTube https://www.youtube.com/channel/UCVHQonzBpLus29i2dsyza8Q 71 #消えろ宮本周司 - Search / X https://twitter.com/search? q=%23%E6%B6%88%E3%81%88%E3%82%8D%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E5%91%A8%E5%8F%B8&src=hashtag_click 72 #消えろ宮本周司 - Search / X https://twitter.com/search? q=%23%E6%B6%88%E3%81%88%E3%82%8D%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E5%91%A8%E5%8F%B8&src=hashtag_click&f=user 73 自民党広報 on X: "本日、#参議院石川補欠選挙(4/24投開票)が告示 ... https://twitter.com/jimin_koho/status/1511868113951739905